淫獣捜査スピンオフ 双極奴隷たちの調教クルージング3
【4】勝敗の行く末
勝負の結果は一対一の引き分けとなった。
配当金は、その結果に従って厳密に払い出されたものの副賞の点で問題を残した。
双方に勝者であり敗者でもあるとしての両方の義務を同じく与えることも協議されたが、やはり白黒をつけるべきだと結論付けられた。
その結果、観客の不満を少しでも減らす為に投票による創意をはかることにした。
どちらが奴隷として勝っていたかを選んでもらおうというのだ。
すぐさま観客たちが所持している端末に二人の名前が表示された。その選択された結果も素早く集計されるのだった。
こうした対応を素早くできるのは、数多くの情報媒体を扱ってる豪田のスタッフだけはあった。
演出や撮影などアンタ―テイメントに秀でた優秀な人材が常駐しており、それをサポートする環境も整っているのだ。
特に船内に積まれた巨大サーバーには世界各所の関連部署から集められた様々な情報が集積されており、それらを使って迅速に対応できるのだ。
そうやって集計された結果が画面に表示された。
――勝者はシオ……
それが観客による投票の結果だった。巨大表示版に表示された結果を、ナナは無表情で見上げていた。
その視線が横へとズレて、高台に設置されているスタッフルームへと向けられる。そこには笑みを浮かべる紫堂の姿があった。
(これも彼の計画通りなのかしらね……)
変装の得意である侵入者たちを炙り出すために、紫堂は今回のショーを利用するつもりなのだ。
大いに注目を集めたショーの間は、いつになく船内には人気がない状態だった。普段は部屋にこもっている豪田をはじめ、その護衛すらここにいるのだ。これ以上に侵入者が動きやすい状況はないだろう。
逆に言えば、この場にいない者ほど容疑者である可能性が高いといえる。
乗客やスタッフと入れ替わっている可能に関しては、すでにナナの記憶と照合させていた。出会った人物の歩き方やちょっとした癖をナナはすべて記憶しており、侵入者の映像とマッチする人物もすでに洗い出しているのだった。
こうしている間にも六名の侵入者は水面下で確実に追い詰められているのだった。
情報収集の役割を背負わされたナナは人知れず溜息をつくのだった。
(それの結果が、多くの殿方と接触できる肉便器としての船倉行きなのですわね……貧乏くじを引かされてる気がしますわね)
紫堂という人物の信頼を得られているナナであるが、それに見合うだけのものを得られているのかは彼女しかわからないだろう。
この後、船倉に設けられた壁穴によって彼女は完全拘束されることになる。それは次の寄港場所である日本に到着するまで続き、精液を食事として穴という穴を犯され続ける日々が続くのだ。
(やれやれですわね)
両脇から屈強な警備スタッフふたりに荒々しく腕を取られ、まるで犯罪者のように連行されていく。それに素直に従いながら、ナナは再び嘆息するのだった。
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