淫獣捜査スピンオフ 双極奴隷たちの調教クルージング3

【3】ターン・ナナ

「一つ目の責めの勝者はシオとなりました」

 その宣言で、観客席から溜息と歓声が再び沸き起こる。徐々に的中者が減っているのは、その反応の差でわかる。
 興奮で拳を握りしめる者を中心に、賞賛と妬みの視線が集まっているからだ。

「さて、それでは次の責めに移りたいと思います」

 ポールから下ろされた二人を前にして支配人が手にしてのは、ナナに挿入していたアナルプラグだ。
 ブラックメタルのボディの中に格納されていたメモ帳を取りだすと、その内容を高らかと読み上げていく。

「ふたつめの責めは……No.1……拘束調教椅子による責めとフェラ奉仕です」

 その発表によって観客席から上がる歓声はさらに減っていた。
 再びスタッフによる準備が始められる。用意されたのは玉座のようにガッシリとした造りの肘掛け椅子だ。
 各所に身体を拘束するためのベルトが配置され、座面にはふたつの穴が開いているのが見える。
 横からみると、その下にはピストン運動する二本のディルドで秘裂とアナルを責める準備されているのだ。

「さて、こちらを選んだナナからは浣腸の追加が要望されております」

 アナル用のディルドゥには浣腸機能が搭載されていた。そこに連なる浣腸液用のタンクには白く濁った粘液で満たされている。それが観客から募った精液であることが支配人によってあかされる。
 用意されていた量は六リットル。それがリモコンのボタンを押すごとに高圧で射出され、まるで射精される感覚とともに腸内へと注ぎ込まれる仕掛けとなっているのだった。

「この射出ボタンは、それぞれ本人に押させます」

 すでに椅子に座らされたナナとシオ。その肘掛には押しボタンが配置されており、押すことで動揺に浣腸機能を動作させることができるというのだった。

「勝利する条件は、このタンクを空にすること。そして、フェラ奉仕でザーメンを三回抜くことの二点となります」

 説明を受けた二人の前には、全頭マスクとフェイスクラッチマスクが用意されていた。開口具とセットになるのはペニスギャグだ。それで事前に喉を慣らせておけということだろう。
 ふたりは責めを受けるために自ら準備を進めていく。頭部を覆っていたストッキングを脱ぎ捨て、蒸しタオルで清めた顔に全頭マスクを被り、その上から開口具を装着していく。
 金属筒は通常より大きく造られており、限界まで顎を広げないと咥えることもできない。どうにか咥えてハーネスで固定する。
 そして、用意されていたペニスギャクを挿入していくのだった。

「――うッ……うげぇッ……」

 特注らしい極太のディルドゥにはナナたちですら苦戦していた。それでも激しくえづきながらも、なんとか飲み込んでみせるのは流石というべきだろう。
 涙目になりながら喉奥まで挿入してみせるのだった。意識して呼吸しないとすぐさま窒息してしまいそうな凄まじい圧迫感だった。
 それも次第にコツを掴んで二人はものにしてみせる。

「ほほッ、もう対応できるとは流石ですなぁ」

 その声とともに舞台袖から姿を現したのは船主である豪田であった。
 ひときわ目立つ巨漢を揺らしながらノシノシと歩いてきた彼を前にして観客からどよめきが上がる。
 普段は表舞台に立つこともない彼が、こうして大勢の前に姿をさらす事自体珍しいのを知っているのだ。
 期待していた周囲の反応に豪田も上機嫌で、ニコニコとえびす顔で観客席に手まで振ってみせた。

「二人の相手にはスペシャルゲストの豪田様と不肖ながら私がつとめさせていただきます」

 性豪としても裏の世界では有名な豪田であるが、その股間から抜き放たれた剛柱を前にして、再びどよめきが上がる。
 まるで腕がもう一本生えていると錯覚するほどの太さと大きさなのだ。
 スタッフによって手足を椅子に固定されている二人。彼が相手として選んだのはシオの方であった。

「ほほほッ、お相手をお願いしますよ」

 言葉使いは柔らかだが、有無を言わさない迫力がある。全頭マスクで視界を塞がれていなければ普段は無表情であるシオも未体験のサイズである豪田の剛柱を前にして表情を強張らせていたことだろう。
 キャッチャーグローブのような太い指が開口具の蓋を掴み、その先に繋がるペニスギャクを慎重に抜いていく。

「ぷはッ……はぁ、はぁ、はぁ――んッ!? んん――ッ」

 目が見えず、結果として不意打ちという形になったが、豪田の剛柱が開口具の穴に差し込まれてゆっくりと口腔へと埋没していった。すぐにそれもいっぱいになって、動きが止まってしまう。

「んぐ――ッ」
「さぁ、頑張って下さい、根元まではまだまだですよ」

 その言葉通りに挿入された部分は半分にも満たない。ガシッと全頭マスクに包まれた頭部が掴まれ、無理やりに飲む込みを深めさせられていく。
 あまりの苦しさにシオの手足が暴れるのだが、ベルトによって厳重に拘束されておりピクリとも動かすことができず、ギチギチとベルトの革が軋む音を立てるだけだ。

「さて、こちらも進めようか」

 支配人も自らの肉棒を取りだすと、同様にナナの開口具へと突き入れていくのだった。
 人並み以上の長さを誇る怒張だが、豪田の持ち物と並べられては流石に見劣りがしてしまう。だが、相手とするには調教師として射精を抑制できるスキルがあるだけに、こちらも厄介ともいえる。

「……んん? おッ、おぉぅ、くぅ、コヤツめ」

 シオは調教人によって一から調教された奴隷だ。当然、もっとも奉仕したのも彼となる。仮に今回の支配人の相手がシオであれば、圧倒的に有利となっていただろう。
 だが、初めての相手、それも未体験のサイズの持ち主に苦戦を強いられていた。
 対するナナは、すでに数日前に支配人の相手をして相手のツボまでシッカリと把握していたのだ。前回は、すでに心身がボロボロの状態で余裕もなかったが、万全な状態であるのであれば二度目の相手に遅れを取ることもないのだ。
 すでにインプットした情報を元に、的確に相手を昂ぶらせて徐々に射精へと追い込んでいくのだ。

「か、簡単には負けられぬな」

 支配人の合図で拘束椅子の動力が入れられた。座面の穴から二本のディルドゥがゆっくりと上昇を開始する。
 その切っ先が秘裂に、もう一方が窄まったアナルへと押し当てられる。

「むほッ……むごぉぉッ」

 二つ穴を埋め尽くしていく異物の感触にふたりの細腰が震える。それはピストン運動が開始されると徐々に妖しいうねりと変わっていくのだった。

「ほほぅ、震える喉がなんとも心地よいですね」

 両手でシオの頭部を挟み込んで、豪田は惨いほどのイラマチオをおこなっていた。
 ヌチャヌチャと開口具との隙間から唾液と胃液をまぶされた肉柱がみえる。その動きはよりスムーズになり激しさも増していくのだった。
 一方でナナと支配人との方はお互いに主導権を握らせないように激しい攻防が行われていた。

「んふ……んんぐぅ……」

 精液浣腸もすでに経験済みである点でもナナを有利にさせていた。
 時折、手元のボタンを押して精液浣腸を自ら注入する。その感触には身悶えさせられるのだが、それでも確実にゴールへと近づいているのだった。
 そうして、ついに支配人を射精へと導くのだった。

「おぉぅッ、くそぉッ」

 射精させられたことに悔しげに唇を噛みながらも、その喉奥へと精液注ぎ込む。
 それに呼応するように横のいる豪田も高ぶった声とともに射精を開始する。

「うッ……ぐふッ……んッ……んぐぅ……」

 喉を鳴らして注ぎ込まれる精液をふたりして咽下していく。
 そうして全てを飲み干すと休む間もなくフェラチオ奉仕を再開するのだ。
 だが、そこからは徐々に二人の差が開き始めた。相手の反応から奉仕への対応を的確に変更できる能力にはナナに分があったのだ。
 徐々に主導権を握ると二回目、三回目と立て続けに射精へと追い込んでいったのだ。

「むぅ、悔しいが貴様の勝ちだな……二つ目の勝負、勝者はナナとする」

 悔し気にする支配人であったがルールには厳格な男である。観客に向かって高々とナナの勝利を宣言するのだった。

「ふぅ、あともう少しでしたが残念ですね」

 負けたとはいえ豪田も腹を揺すって満足そうである。粗々しく扱ってもシオが壊れずに相手をし続けたことを評価しているのだ。
 機会があれば、改めて相手をして欲しいとだけ告げて、その場を後にしていった。

「さて、敗者には罰ゲームだったな」

 冷たい視線でシオを見下ろす支配人。彼の指示によってスタッフよって支えられたナナがやってくる。
 その下腹部は大量の精液浣腸によって妊婦のように膨らみ、肛門は決壊する寸前であった。
 チョロチョロと液体が漏れはじめてきた肛門へと透明なチューブを繋げたノズルが挿される。

「おッ、おぉぉン」

 思わず全頭マスクの下で雄叫びをあげるナナあったが、ノズルは閉じられているのか噴出する気配はいまのところないようだ。
 その間にチューブの反対側がシオの開口具へと接続されているのだった。
 カチリッと接合した音を合図に、ノズル側のコックが捻られる。
 その途端、腸内に溜められていた精液がチューブを伝ってシオの口へと送られていくのだった。

「――んんッ!? おごッ、ごばぼぼぼ……」

 悲痛な叫びも注ぎ込まれてくる大量の精液によって掻き消された。
 拘束椅子に手脚を固定されたまま、腸内だけでなく胃の中までもシオは精液で埋め尽くされてしまうのだった。


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