淫獣捜査スピンオフ 双極奴隷たちの調教クルージング3

【2】ターン・シオ

「うん、体調の方はかなり回復しましたわね」

 鏡に映る裸体から無数にあった傷跡が消えているのをチェックしたナナは満足気に頷いていた。、
 紫堂は買収した医療メーカーには、一般市場への流通を考えずにコストを度外視した医療機器や薬品も作らせていた。
 例えば遠隔操作できる医療機器は、地球の裏側にいても医師による手術を可能にする。これを犯罪者を相手する闇病院に設置して、金さえ出せば最高の医師による手術も可能と謳うのだ。
 機器の販売やメンテナンスだけでなく、医師の仲介手数料なども入るという訳だ。
 その上、その医師の技術をAIに学習させて、近い将来は自動化された機器の開発まで目論んでいるのだ。
 裏社会の重鎮や裕福層に売りつけようと、この船にも支配人によって運び込まれていた。
 それらをナナに試してデモンストレーションとした訳で、通常なら数週間はかかる外傷がものの数日に短縮されているのだから効果も絶大だろう。

「効きすぎて怖いぐらいですけど……副作用とか聞くのは少々怖いですわね」
「そろそろ、お時間ですのでご用意をお願いします」

 豪田付きのメイドたちに促されて、彼女らが用意した道具を手にしてナナは準備に入った。
 まずは真紅のゴムボールを咥えてボールギャグを装着していく。頬に押し付けるように横切るサイドのハーネスに加えて、鼻の両側から眉間、そして頭頂へと抜けるハーネスと顎下のベルトが加わってより拘束度が増した口枷だ。
 次に手にしたのはアナルプラグだ。ブラックメタルのボディは直径三センチといった太さで、ローションをまぶして自ら肛門に押し入れていく。

「んッ……うふぅ……」

 目の前でアナルプラグを挿入する美女の前にしても、周囲で待機しているメイドたちは表情すら変えない。
 彼女らも豪田の夜伽用に集められて調教された存在なのだ。目の前の光景も日常的な出来事なのである。

「おふぅぅ……」

 切っ先が入れば、あとはズルリと肛門内へと入っていく。白い尻肉の谷間にはアナルプラグの底部にしつらえたリングが生えているのが見えている。
 それがシッカリと咥えこまれているのを口枷と締め付けとともにメイドたちによってチェックされていった。
 それが終わるとボディストッキングだ。素肌の上を滑らかに滑っていく黒いナイロン生地。薄く透き通り、素肌の透けるそれにはいくつか穴が開けられており、リングギャクに付けられた頭頂リング、乳首と陰核を貫くリングピアスをそれぞれ露出するように穴から出していった。
 乳首と陰核の三点をY字に繋げられた細いチェーンがすぐさま装着されていった。

「さぁ、それではこちらに……」

 ストッキングによって視界がやや不自由になるのをメイドたちがフォローする。両手を持ってナナが案内されるのは黒鉄でできた鉄格子の檻だ。
 鳥籠を縦に伸ばしたような筒型の形状であり、人がひとり立つのが精一杯の大きさだ。
 中へと誘導されるとその手足に枷が装着され、それぞれが柵へと繋ぎ留められてしまう。
 その上で頭頂のリングが檻の天井と繋げられ、床から生えた鉄パイプを伸ばされて先端にあるバイブレーターを秘裂へと挿入されるのだ。

「おッ、おぉぉぅッ」

 ローションが塗されたとはいえ、極太のバイブレーターをいきなり挿入するのは無理がある。まだ広がらぬ狭い膣洞をメリメリと押し広げながら異物が侵入してくる感覚が襲う。
 腰を上げて逃れようにもガチャガチャと柵に繋げられた枷が金属音を響かせるだけだ。次第に溢れ出した愛液によって挿入を深めていくまで難儀することになった。
 そうやって鉄パイプのバイブレーターに貫かれたナナは蓋を閉じられた檻ごとゆっくりと降下をはじめた。
 床の一部がエレベーターとなり下がり始めたのだ。穴の大きさは檻と同じサイズだ。次第に視界が沈み周囲が黒い壁だけになっていく。
 閉塞感に襲われる。それは檻が床下へと下がりきると最高潮へと達する。

「うッ、うぐぅ……」

 頭上でゆっくりと床が閉じていくのに応じて、降り注いでいた光が細まっていった。
 そうして、頭上の床が閉まりきると周囲は完全に闇へと化すのだった。
 だが、暗闇の中で平穏があるわけではなかった。挿入されたバイブレーターが電流を流し始めたのだ。

「――むぐぅぅッ」

 ビクンビクンと断続的にながされる電流によって肉体が反応してい、四肢が暴れるたびにガシャン、ガシャンと枷を繋げた鉄柵が音を立てさせられる。
 そうしてバイブレーター自体も胎動をはじめて、膣壁を抉りはじめるのだ。
 苦痛と快楽を与えられて暗闇の中でナナは呻いた。それは三十分も続くことになる。
 意識が朦朧としはじめた頃、頭上の床板が再び開く。ゆっくりと浮上した彼女を強烈な光が照らし出すのだった。
 遅れてきたのは湧き上がる歓声だ。
 目の前に並ぶ座席には大勢の観客がひしめき合っていたのだ。



 ふたりの奴隷対決は前回以上の人の集まりが予想され、会場には船体中央にある巨大ホールが使われることになった。
 コンピュータ制御によって座席の配置を自由に変えられ、サーカスからオペラまで様々な催しに対応できる施設だった。
 開場してからの人の集まりも上々で、ほとんどの乗客が集まりそうな気配だ。同時に開催される賭けの方も盛況で、掛け金の示す数字が凄い数字が上がっているのだった。
 闇に包まれていた中央のステージにスポットライトの光が集まる。中央には支配人と呼ばれる細身である初老の男が立っており、その両脇に檻に入れられた二人の奴隷が床下より出現してくるところだった。

「さぁ、お待たせいたしました。主役である牝奴隷たちの登場です」

 初老の男とは思えない重く響く声がホールに木霊すると、それに呼応するように歓声があがる。
 ステージの上で燕尾服を身に着けた支配人の姿はマジシャンのようでもあった。杖を手にしてやや芝居かかった動作で深々と頭を下げてみせるところがそれをより強調する。

「改めてご説明させていただきますが、今回のルールも至ってシンプルです。すでに提示されている5つの責めから、牝奴隷の両名がそれぞれひとつを選んでおります。共にその責めを受けて勝敗に決します。それによって、奴隷としての優劣を明らかにしようという訳です」

「賭けの対象となりますのは、それぞれが選択する責めとその勝敗、最終的な勝者となります。見事にすべてを的中されました方には、勝者となりました奴隷の貸し出しを副賞とさせていただきます」
「尚、敗者の方には船倉ですべてのお客様を対象とした肉玩具として過ごしてもらう予定ですので、その際は存分にお使いください」

 支配人の説明に観客の目が欲望でギラつかせているのが、ライトの光に目を眩ませるナナでも容易に想像できた。
 周囲から絡みつくような視線が周囲から向けられているのを感じたからだ。

(うぅ、ようやく目が慣れてきたけど、凄い人の数みたいだわ)

 ライトに照らされるステージに比べて観客席は暗い。それでも狂気じみた熱気がそこにあるのがわかる。
 横に視線を向けてみれば、同様に檻に入れられているシオの姿も見える。
 彼女もまた同様の姿と拘束を施されているのだった。

「さぁ、それではショーの開催です」

 高々と宣言する支配人の言葉で、会場内に充満する異様な熱気はさらに高まるのだった。



 閉じ込められていた檻から出された二人はステージの中央に跪かされていた。
 背後に尻を突き出す姿勢を強要させられて、支配人の手がシオの秘部へと伸ばされていった。

「――んおぉぅッ」

 アナルから突き出ているリングに指をかけられる。一気に引き抜かれ、腸液にまみれたメタルボディのアナルプラグが彼の指先にぶら下っているのだった。
 その本体を捻るとふたつに分かれ、中から一枚の紙が現れる。
 ふたりは、五つある選択肢の中から自分らを責める内容を選択させられていたのだ。それを他者には見られないように記載したメモをアナルプラグに隠し持っていたのだ。
 当然、シオのアナルプラグには彼女が選択した責めが書かれており、賭け対象となる重要な情報でもある。
 観客たちが固唾を飲んで見守る中、メモ用紙を広げて支配人が番号を読み上げる。

「ひとつめの責め内容は……No.4……逆さ吊りでの蝋燭責めとなります」

 発表された内容に観客たちの反応は嘆息する者、歓喜する者に大きく分かれる。
 ザワザワとざわめく客席は、それだけ彼らがショーを愉しんでいる証拠でもあった。
 そして、これからその責めを受けるナナたちには絶望をしらせる言葉でもあるのだ。
 双方の反応に支配人は満足げな笑みを浮かべて、舞台袖に待機しているスタッフへと合図を送る。
 彼らによって二人は両腕を背後にまわされ、アームバインダーを装着される。
 先の窄まった黒革の袋に指差を入れられ、そのまま二の腕まで覆われてしまう。
 袋口から伸びたハーネスが背後から肩から胸を通り、反対の脇下から袋口の金具へと連結される。

「うッ……くぅ……」

 ハーネスと革袋に備えられたベルトを次々と締めあげられていくのだが、体重をかけた容赦の締め付けなのだった。
 肩が後ろに引かれ、肘同士がつかんばかりに引き寄せられる。背後でくの字に曲がる両腕に拘束に慣れている二人も眉間に皺が寄る。
 ナナの肛門からもアナルプラグが抜かれ、代わりにアナルフックが挿入される。
 先端が丸く加工された銀のフックは、先端を肛門内に挿入されると根元に繋げられたワイヤーがアームバイダーの指先へと括り付けられる。

「ぐッ、うぅぅぅッ」

 アームバインダーによって胸を反らした状態が、アナルフックによってより厳しいものにされてしまう。
 そんな彼女らの前に、天井からスルスルと二本のポールが下りてきた。頑丈な鎖で吊るされたポールには結合用の金具な何か所も設けられている。そこに二人の両脚が限界まで広げられて繋げられていく。

「よし、引き上げろ」

 支配人の指示によってポールがゆっくりと上昇する。それに伴い、両足を括り付けられた牝奴隷たちの腰が床を離れ、続いて背中も離れていく。そうして、頭まで離れて逆さ吊りにされてしまうのだった。
 逆立った長髪が床でどくろを撒いて向かい合わせにされた二人はT字のような姿だ。
 それぞれの乳首と陰核を貫くリングピアスを細い鎖で繋がらされてしまう。
 ユラユラと吊るされた身体が揺れるたびに、二人の間を繋ぐ銀の鎖がキラキラとライトの光を反射する。
 その距離を調整されて離されると、ふたりを繋ぐ三本の鎖がピンと張られた。これで、少しでも動けはお互いの秘部を責め立てることになるのだ。

「おっと、これを忘れておったな」

 白々しくも隠し持っていたローソクを見せつけると、それを秘裂へと押し込んでくる。
 先ほどまで電気バイブレーターが挿入されてたお陰で、ローソクも難なく突き立てることもできる。
 火を灯されれて電気の代わりに熱が彼女らを襲うのだった。

(あ、熱い、熱いッ)

 溶けだした蝋が秘部へと垂れ落ちてくるたびに、苦悶の呻きを上げさせられてしまう。
 ボールギャクを噛まされた口元からは、ダラダラと唾液が溢れ出してしまい、パンストに覆われた顔を濡れ汚してしまう。
 濡れて染みをつくるパンストが顔面に張り付いて不快感が増す一方なのだ。

「さて、本来ならこれで終わりですが、申請者から追加の要望で鞭責めを追加することになりました」

 一本鞭――ケインを手にして支配人がそう告げてくる。もちろん、申請者であるシオ自身に対しても鞭を振るわれることになる。それでも自分が有利になる要素があるとシオは判断したのだろう。

「では、その鞭打ちには参加される方々は前に来ていただけますかな?」

 事前に抽選でもしていたのだろう。混乱もなく観客席で立ち上がった人たちが左右に列をなしてステージへと上がってくる。
 それぞれの先頭の者に支配人が鞭を手渡すと、責めは開始された。

「うぐぅぅぅッ!!」

 風切り音をたてて手加減なしの痛烈な一撃が牝奴隷たちの肉体へと降り注いでいく。
 十振りほど堪能すると次の者へと鞭が手渡される。そうやって次々と全力の鞭がふたりを襲うのだった。

「むぐぅぅぅッ……ふぅ、ふぅ……んんぅ」

 秘裂に突き立てられたローソクから溶け出した蝋も股間に張り付き、身体にまで垂れ下がってくるのだ。
 それを鞭の一撃で剥ぎ取られて、全身に痛みを刻みつけられる。それに涙して身を捩ると、吊られた身体が揺れて二人をピンと繋ぐ鎖が秘部を責め立ててくる。

 逆さ吊りによって血流が流れも悪くなってくる。妄想とした意識の中で様々な責めが連鎖的に発動して、ふたりを責め立て続けた。
 特に鞭が振り下ろされるのが陰核へと集中しはじめると、その苦痛も跳ねあがっていた。ストッキングで覆われた顔には今や涙や涎が張り付き、二人ともひどい有様であった。
 そうして、どちらも耐え忍状況が続いたのだが、先に根を上げたのはナナであった。
 先の調教で散々にシオに鞭を打たれた彼女は、そのダメージが抜けきっていなかったのだ。
 肉体の方は高価な医薬品で劇的な回復をみせていたが、精神的のダメージはそうは簡単にはいかない。いくら心を切り離そうが、身体の芯まで刻みつけられた恐怖は簡単には消えないのだ。
 ナナ自身が想像していた以上に、シオの調教のダメージは精神に深刻な傷を残していて、今回の責めを受け続けたことで表面化してしまったのだ。
 いくら理性で抑制しようとしても肉体はガクガクと震えてしまう。そして心の奥底から湧き上がる恐怖に耐えきれなくなる。
 痛烈な一撃を陰核へと受けて、ついにナナのタガが外れてしまう。恐怖と痛みでついに失禁までしてしまうのだ。
 それ以上の続行が不可能をみなして、支配人はナナの敗北を確定させる。
 そうしてナナは、噴水のように放物線を描いて尿を放ちながらガックリと力尽きる。

「言い忘れておったが、ひとつの責め毎にも罰ゲームを設けておる」

 そう冷酷に告げた支配人は、逆さ吊りになったナナに追い打ちをかけるように陰核への鞭打ちを百回続けるのだった。


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