虜囚将校 ―日のいずる国の好敵手の陥落ー

【3】新たなる虜囚将校

 調教部屋は異様な熱気に包まれていた。
 分娩台のように脚を開いた状態で固定するアームを備えた椅子に楓は乗せられていた。
 着せられているのは軍服の胸元がくり抜かれて乳房を露出するように改造されたものだ。下半身は裸という格好で、誇り高い軍人には屈辱的な姿にさせられていた。
 その状態で大股をひらかされ、倒された背もたれに上半身もゴムベルトで固定されている。
 胸の上下を渡されたゴムベルトによって、双乳は挟まれて量感をまされてしまう。身動ぎするたびに軋む音を立てるゴムベルトが根元に喰い込み、乳房を絞め上げてくるのだ。
 もちろん、両腕も首の後ろで組まされて拘束されていた。首の後ろで幅広の拘束ベルトでまとめられた両腕を、細首に巻かれた首輪に連結させる念の入れようで、下手に動かすと首が絞まるというわけだ。
 さらにアイマクスで視界も封じられ、バルーンギャクを噛まされて言葉も喋れない。悪態をつく自由さえ、今の彼女にはないのだ。
 その悔しげな心情を表すように、白手袋をはめた手がキツく握られて震えている。
 そんな彼女を相手しているのはヴェロニカだった。
 日中は綾乃の不在分も受け持つ比奈子が業務で忙しいのもあり、代わりに楓の肉体改造を受け持っているのだった。

「うッ、うぅぅぃッ」

 処女である楓の秘部にはヴェロニカはあえて触れてこない。その代わり、アナルの開発にいそしんでいた。
 彼女のプライドを傷つけるために比奈子は浣腸を施して、人前での排泄という屈辱を味わせていた。
 それをさらに開発するべく感度を増すように媚薬を塗り込み、拡張とアナルバイブによる快楽を刻み込んでいるのだ。
 同時に、陰核や乳首の感度も増すよう開発中だ。吸引式のバイブレーターで刺激を与え続けていた。

「なまじ自分でも触れていなかった分、まるで乾いたスポンジのように悦楽が心身に染み込んでいくのがわかるだろう?」
「うぅぅッ!!」

 首を嫌々と振りたくり、高潔な心で拒もうとも、媚薬で狂わされた肉体は快楽を容易に受け入れてしまう。
 それでも心までは屈しないっと懸命に耐えてみせているのだが、その姿が嗜虐者にはこの上ないご馳走でるのを彼女は理解していない。
 邪悪な笑みを浮かべるヴェロニカが手にしたのは、耳掻きをさらに細くした切っ先を持つ特注品のバイブレーターだった。
 それをいまだに抗う楓の股間へと近づけていく。だが、向かうのは秘裂でも開発中の肛門でもない。第三の孔である尿道だった。

「――ふぐッ!?」

 その異様な気配に視界のみえない楓も気づいたようだ。だが、身体は固定されて逃げることもできない。
 ギシギシの拘束を軋ませて呻き声をあげる哀れな獲物の姿にヴェロニカは邪悪な笑みを深めていった。
 細く狭い孔へと媚薬いりのローションをまぶした切っ先が侵入を果たす。そのまま、ズルリ、ズルリと確実に奥へと入っていく。

「むぐぅぅ――ッ!!」

 初めて体験する異物の侵入に、楓も拘束椅子の上で身を仰け反らして絶叫をあげていた。

「よし、ここね。そろそろローションの媚薬も効いてきたでしょう?」

 目的の位置まで挿入したのを確認すると、基部に設置されたモーターを起動する。
 極細のボディに納められたモーターだ、パワーはそれほどないだろう。だが、これはそれで十分だった。
 吸引式のバイブレーターで責められ続けている陰核の裏側、尿道を通して挟み込んで刺激を与えるのが目的だ。

「――――ッ!!」

 本来ならあり得ない刺激を受けて、楓の脳内は何度の激しいスパークが発生していた。強すぎる刺激に脳が処理しきれないのだ。
 そんな口からは意味のある言葉など出てこない。壊れたロボットのように身体をメチャクチャに動かして、声にならない叫びを上げ続けている。

「これを体験したら、もう普通のセックスでは一生満足できないわよ……まだ、普通のセックスすらも経験していないのに可哀想ね」

 口にした言葉とは裏腹に、ヴェロニカの表情に浮かぶのは哀れみではない。人を壊すことでしか得ることのできない暗い愉悦であった。


 それからは、平日の昼はヴェロニカによる肉体改造、夜には比奈子の拷問のような厳しい調教を受けさせられた。
 食事にも媚薬が含まれて、常に肉体は発情させられた状態だ。気を失うようにして眠っている間も、秘部からは愛液を溢れさせているほどで、快楽漬けの日々が続いた。
 常人なら心は壊れてもおかしくない状況でありながら、辛うじて正気を保っていたのは流石と言うべきか。

――親友である皇 綾乃が異変に気づいて助けに来てくれる…… 

 そう強く楓は信じていたのだ。
だから、ベッドの上で後ろ手に拘束されて、高々と尻を上げたポーズを強要される屈辱にも唇を噛んで耐えてみせた。

「さぁ、今夜もたっぷりとアナルを可愛がってあげますからね」

 凶悪な太さなぺニスバンドを装着した比奈子が、今夜も実直そうな普段の姿からは想像できない残忍な笑みを浮かべていた。
 肛門を押し広げて侵入するディルドウ。それだけで開発された肉体はゾクゾクと脊椎を走り抜ける快楽を脳に送り込んでくる。
 パンパンと腰を打ちつけられた尻肉が乾いた音を響かせながら、腸壁を抉るような激しいピストン運動が繰り返される。
 それですぐに頭の中が白い霧に覆われて、気づけば淫らな泣き声をあげていた。
 いくら堪えようとしても、深々と突かれると甘い声が漏れてしまう。
 それが悔しくて悲しいのに、肉体はもっと刺激を求めて自らも腰を振りたててしまうのだ。

「そら、逝きなさいよッ、とっとと逝け、逝けッ!!」
「ヒィッ、ヒィィイッ、イ、イク……あぁ、逝っちゃぅぅぅッ」

 処女の身でありながら肛虐の愉悦を覚え込まされた近衛 楓は、淫らに宣言しながら絶頂を迎えてしまうのだった。 
  

 
 そんな調教を受ける日々の中で、楓は自力での脱出も諦めていなかった。
 常にチャンスをうかがい、恥辱に耐え忍ぶ。そう考えることで、無意識うちに徐々に淫らに改造されていく事実から目を反らすようにしていた。
 そうやって幼少の頃から仕込まれた防衛反応によって、彼女の心は密かに守られているのだった。

(それにしても、人の気配がないわね……)

 訪れたばかりで土地勘もないが、自分が囚われている区画が建築中に放棄されたものであるのは推測できた。
 床や壁は建材のままで、配管や配線が所々で剥き出しだ。流石に空調は追加で取り付けたようであるが、他に人の姿も見えないのだ。
 その区画で見たのは牢として使われている部屋と調教部屋だけ、そのふたつを行き来するだけの毎日だ。

――だが、その日は違った。

 卑猥な改造をの施された制服は脱がされて、全裸にされた上で後ろ手に拘束された。
 それだけでなく黒革の全頭マスクを被せられそうになる。嫌がるところを押さえつけられて、マスクの内側にあるディルドウを咥えさせられた。
 そのまま頭部を包み込むと後頭部にある編み上げの紐をキツく締め上げていったのだ。

「うぐッ、ぐぅぅぅッ」

 顔面に革が張りついて頭全体を押し潰さんばかりにギリギリと締め付けてきたのだ。マスクは目の部分がくり貫かれており、あとは呼吸用の小さな孔が鼻にあるだけだ。
 仕上げに全頭マスクの縁を覆うように首輪が巻き付けられていく。カキンッと澄んだ音で施錠されて、自力でマスクを脱げなくされてしまう。
 さらにゴム製のハイレグパンツを履かされた。お尻の部分にポッカリと穴のあいたOバックタイプで、前には陰核に押し当てられるようにローターが仕込んであるものだった。

「よく似合ってるわよ、さぁ、いらっしゃいッ」

 比奈子に首輪の鎖を引かれて、倒れ込みそうになりながら、あとに続く。逃亡防止に追加された足枷の鎖がジャラリ、ジャラリっと音をたてることで虜囚の身であると嫌でも自覚させられる。
 だが、その日は連れていかれる方向がいつもとは違っていた。本来ならば曲がる十字路を直進したのだ。
 初めて通る経路を観察するものの目立った特徴もない。同じような通路、同じような分岐、同じような扉がコピーされたように続く。

――その中を迷うことなく進んだ先の部屋に彼女はいた。

 同じように全頭マスクを被せられた全裸の女性だ。肌の色合いから同じ年頃のアジア系だろう。
 楓の出現にマスクのから垣間見える金の瞳の様子から用意にうかがえる。
 同じようにゴムパンツを履かされた状態でヴェロニカに首輪の鎖を持たれている。後ろ手に拘束された状態で床に膝まずいているのだった。

「やぁ、そちらも来たね」
「お待たせしました、ヴェロニカ様」
「いや、こちらもさっき連れて来たところさ、ところでコレらをなんて呼ぼうか」

 二人の並ばせた奴隷を見比べて、しばし思案する。先に思い付いたのは比奈子だ。

「先のをポチ、後からのをタマでどうでしょう?」
「元はなんの名前なの?」
「飼っていた愛犬と愛猫の名です」
「プッ、アハハハッ、いいわねぇ、それでいきましょう」

 比奈子の発案が気に入ったようで連れて来た奴隷にポチ呼びして見せてる。

「そう言うわけで貴女はタマですよ、お嬢様」
「さぁ、今日は趣きを変えてキミたちでゲームを楽しみましょう、なに、簡単なゲームよ、双方で競って、負けた方には貴女たちが大好きな浣腸液をプレゼントするの。もし最後まで排泄を我慢できたら、それぞれ今日の調教はそこで終わりにしてあげるわ」

 ゾッとする笑みを浮かべるヴェロニカに戦慄を覚える。
 彼女は「キミたちでゲームを楽しみましょう」といった。「キミたちがゲームを楽しむ」ではなくてだ。
 ゲームを愉しむための駒でしかない。もとより拒絶する権利は与えられていないのだ。
 どれは楓だけでなく相手の奴隷も理解したようだ。
 ゲームの立案は比奈子によるもので、ヴェロニカを愉しませるための娯楽であるのだろう。
 だが、彼女らを愉しませるために、同じ境遇の者同士で闘う気もない。
 もちろん、比奈子らも素直に従うとは思っていないのだろう。追い込む手筈は考えている。
 ふたりに高々と尻を掲げさせると浣腸をほどこすのだ。
 床に顔を押し付けながら、屈辱的なポーズを取らされる。
 挿入用の切っ先と複数の瘤が連なったゴム製のアナルストッパーが用意されていた。
 ローションをまぶしたそれが、窄まる菊門に押しあてられると、ズブズブと挿入されていった。
 度重なる調教によって開発された肉体は、異物の侵入も難なく受け入れてしまう。

「うッ……うぅ、うふぅぅン」

 ズルリ、ズルリと瘤も体内へと飲み込まれていった。そのたびに与えられる刺激に思わず甘い声が漏れてしまう。
 肛虐の悦びを教え込まれた今は、その刺激も甘美に感じてしまうのだ。
 それはもうひとりも一緒なのだろう。後ろ手に組まされて手が悔しげに握られて震えていた。
 そうして、アナルストッパーの挿入が終わると、ポンプによって膨らまされる。肛門の前後に位置した瘤がピッタリと内外から挟み込んで、抜けなくするとともに薬液の流出も防ぐのだ。

「さぁ、貴女たちが大好きな浣腸液ですよ」

 シュコシュコとポンプが握り潰されてたびに、チューブを伝って薬液が腸内に注ぎ込まれていった。
 その光景は、眼の前にまるで鏡写しのように同じ境遇の姿を見せられて、いかに屈辱的な姿なのか自覚させられる。

「うぅぅぅ……」

 早くも薬液の効果で腹痛がはじまった。
 だが、アナルストッパーで自分の意志で排泄することもできず、冷や汗をかきながら耐え続けるしかないのだ。
 その苦しみ悶える姿も彼女ら嗜虐者には娯楽なのだろう。持ち込んでおいた道具で優雅にティータイムと洒落込みながら鑑賞しているのだった。

「ふふ、ふたりとも頑張るわね。なら、ご褒美に浣腸液を追加してあげましょうか」

 逆流防止弁としても機能するアナルストッパーには薬液を追加投入することも可能だ。
 嫌がるふたりに、さらに200mlが追加されてしまう。
 その上、ゴムパンツに仕込まれていたローターまで稼働して、陰核を責めはじめた。

「ぐぅぅぅ……」
「さぁ、ゲームに協力するのと、さらに浣腸液を追加されるの……どっちがお好み?」

 乳白の薬液が満たされたボトルを新たに手にしながら、比奈子は残酷な選択を迫ってくる。
 それでも二回、楓たちは拒み、耐えてみせる。だが、最後には限界を越えて朦朧とする意識の中で、同意させられてしまうのだった。


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