虜囚将校 ―日のいずる国の好敵手の陥落ー

【1】囚われ続ける女性将校

 極寒の南極の地に、国連が管理する小さなの観測基地がある。資料によれば、わずか十数人の地質調査の監視員が常駐しているような小さな施設だ。
 だが、その地下には五層にも及ぶ広大な空間が掘られ、大国の軍隊にも劣らない最新鋭の装備を整えた軍事施設があることは、一般には知られていない。
 名目上は地上の施設と同様に国連の管理下にあることになっているが、実質的に運営しているのはクロスフォード財団と呼ばれる民間団体であった。
 財団は、度重なる大戦で疲弊した各国をよそに流通をおさえたことで莫大な財力を獲得していた。その財団が地下でなにをしているのかは誰も知らない。
 その中央に近い区画には、国連の施設という名目のために各国から派遣された駐留武官に割り振られた執務室が並んでいた。
 そのひとつ、ロシアの執務室にヴェロニカ=イリイーニシュナ=ポルトワ少佐はいた。
 ロシアの陸軍将校に与えられる灰白色の軍服を着込んだ彼女は、西洋人形のように無機質的で冷たい美しさをもった女性だ。
 重量感のある落ち着いた色合いのウォールナット製の執務机を前にして座る彼女は、ゆったりとした黒革張りのチェアに身を埋めて瞼を閉じていた。
 室内に流れているロシアの作曲家であるチャイコフスキーの名曲に耳を傾けているようにみえる。
 だが、耳を傾ければ華やかな旋律に異音が混ざっているのに気がつくだろう。
 その発生源を探れば、それはヴェロニカの足元にあった。
 そこには女性が横たわっていたのだが、その姿は異様なものであった。
 首から爪先までを漆黒のボディバッグに押し込まれていたのだ。
 エジプトのファラオのミイラのごとく背筋を伸ばされ、手足を揃えた状態にされている。
 その上、ボディバッグの上から幅広のベルトが幾重も巻き付けられ、ギチギチと絞められているのだが、その締めつけは女性らしいフォルムが浮き出ているほどだ。
 挙げ句にそれぞれが南京錠で施錠されている執拗さで、仮に拘束されているのが屈強な大男でも容易に脱出できない状態だろう。
 ボディバッグから外れた頭部も、小さな鼻の孔しか開いていない黒い全頭マスクを被せられている。
 顔面に張り付いたラバーはピタリと張り付き、顔の輪郭まで浮き上がらせていた。
 そのため呼吸するたびに鼻の周囲がプックリと膨らむのだが、それで内部の人間が生きているのを確認することができた。
 全頭マスクで視界を封じられている女性は、さらにノイズキャンセリング機能のあるヘッドフォンを装着されて聴力すら奪われているのだった。

「んむッ、んぐぐぅ、んんーーッ!!」

 全身を締め上げるベルトをギチギチッとしならせて、女性は呻きをあげていた。
 それは全身に媚薬クリームが塗り込まれ、敏感になった各所に様々な淫具が装着されていたからだ。
 稼働するそれらによって彼女に責められ続けており、先ほどのように呻き声を上げさせられているのだ。

――チギッ、ギチチギッ……

 苦しげに呻きをあげながら女性が身悶えすると、革ベルトがしなり、軋ませる。
 瞼を閉じたヴェロニカは、それらを心地よく酔いしれていた。
 さらに素足をのせて、ベルトで上下に挟み込まれた胸の膨らみの感触を堪能している最中なのだ。

「フン、フン、フフン〜♪」

 鼻唄に合わせて握っていたコントローラーをレバーを複数操作していく。
 それによって全身に装着した淫具を操作して、常に刺激が変化するように仕向けていた。

「フン、フフン〜♪」
「んッ、んんーーッ!!」
「フーン、フッ、フフーーン〜♪」
「うぐぅぅッ、んぐぅ、ぐぅぅぅッ!!」

 まるで楽器を奏でるように、拘束された女性がヴェロニカの思うままに啼かされていた。
 そうして、室内に響き渡るクラシックの曲は、ついにクライマックスへと向かっていく。
 その演奏にあわせてコントローラーの目盛りが徐々に押し上げられて、最後には一気に全ての淫具を最大出力へと切り替えた。

「んッ、んーーッ!! んぐぅぅぅっぅッ!!」

 ひときわ激しい呻き声があがった。
 拘束ベルトを弾き飛ばさんばかりに身を仰け反らせた女性は、ビクンビクンと激しく全身を痙攣させたのち、ピクリとも動かなくなってしまった。


――コン、コンッ

 執務室の扉がノックされ、ひとりの女性士官が姿をあらわした。
 その制服は、日本帝国陸軍の女性士官のものだ。ショートヘアーのよく似合う理知的な顔立ちで、ツカツカと歩いてくる動きも実に洗礼されている。
 執務机の向こうに座るヴェロニカに対して一礼をすると彼女――風見 比奈子(かざみ ひなこ)中尉は用意してきたファイルを手渡す。
 それは、彼女の上官である皇 綾乃(すめらぎ あやの)少佐の医療カルテであった。
 体調不良で業務を離れて療養するための診断書なのだ。
 だが、それが偽造されたものであるのは、その場にいれば容易にわかる。自室で安静にしているはずの綾乃が、その場にいるからだ。
 ただ、普段の綾乃を知る者ならば、それが彼女であると容易に認められないだろう。
 ヴェロニカの足元、執務机に隠れるように身を屈めている女がいた。
 日本帝国海軍の漆黒の将校服に身を包む女は、両腕を背後にまわされてアームバインダーという黒革製の拘束具によって自由を奪われていた。
 さらに、その細首には鋲がならぶ肉厚の首輪がはめられており、そこに繋がる鎖をヴェロニカに握られていた。
 鎖によって引き寄せられた女は、冷たく見下ろす主の股間へと顔を埋めさせられているのだった。

――ピチャッ、ピチャッ……

 まるでミルクを舐める子犬のように目の前の秘裂へと舌を這わせて、淫らな水音を響かせている。
 その頭部は黒いラバー製の全頭マスクに覆われており、その容姿を知ることはできない。唯一、露出している口元とピッタリと顔面に張り付いて浮き立つ輪郭から、とても整った顔立ちなのはうかがえた。
 時折、苦しげに顔を上げては叱責をうけて舌による奉仕を強要される。
 その原因は下半身にあった。本来ならば布地に覆われている下半身は剥き出しにされており、その秘部にはバイブレーターが深々と挿入されているのだ。
 モーター音を響かせて激しく蠢く淫具によって、溢れだした愛液がポタポタと滴って毛足の長い絨毯を濡らしていた。
 だが、彼女を責めるのはそれだけではなかった。
 突きだされたヒップ、その染みひとつない綺麗な尻肉の谷間でキュッと窄んでいる菊門。そこからゴム製のチュープが生えていた。
 その先に繋がったポンプによって、肛門内に挿入されているアナルプラグが膨らみ、大量に注ぎ込まれた浣腸液による排泄を拒んでいるのだ。
 ポッコリとふくらんだ下腹部からはゴロゴロと腸鳴りが響き、奉仕をしている女は激しい便意に襲われているのがわかる。
 それに追い討ちをかけるように、膣内に深々と挿入されたバイブレーターがわずかな肉壁を挟んで薬液で満たされた部位に振動を与えているのだ。

「うぅ、ぐぅぅぅ……はぁ、はぁ、はぁ……うぅぅぅッ」
「奉仕が疎かになっているわよ」

 口端から涎をたらしながら苦悶の呻き声をあげようとも、ヴェロニカには容赦する気配はない。
 それどころか、相手が苦しそうにするたびに愉悦を感じている風なのだ。
 その奴隷奉仕を強要されている女こそ、先ほどの診断書にあった女性将校、皇 綾乃(すめらぎ あやの)本人であった。
 気に入った女性を奴隷にするのを悦びとするヴェロニカによって、綾乃は拐われていた。
 それに綾乃の副官であったの風見 比奈子も密かに協力していたのだ。

「随分と素直に従うようになったでしょう? あぁ、大丈夫、耳にイヤホンを押し込んでいるから声は聞こえないわ」
「はい。ヴェロニカ様の調教の厳しさは身をもって知っていますが、正直に言えば驚いています」

 比奈子自身もヴェロニカに拐われて調教を受けた身なのだ。その結果、今では従順な下僕となり、有能な手駒になっていた。
 そのため、新しく赴任することになった綾乃の情報もヴェロニカは彼女によって事前に知ることができた。そして、入念に罠を張り、比奈子が綾乃の信用を得るように画策したのだ。
 その結果、軍務での副官という立場だけでなく、プライベートでは恋人にまで収まった。
 綾乃自身は初心な比奈子の様子から、彼女を初めてレズに目覚めさせたと錯覚していたが、全てヴェロニカが用意した台本どうりだったのだ。
 綾乃はまんまとハニートラップにかかったと言えるだろう。

(皇少佐は自身でも情報を集めてヴェロニカの危険性を察知していた。もし私を信用せずに自身で追加調査をしていれば、捕らわれることもなかったかもしれない……)

 わずかな罪悪感を感じながらも比奈子は、そう冷静に分析していた。
 だが、綾乃を高く評価しつつも主であるヴェロニカの勝利は微塵も疑っていないのだ。

「ほら、頑張って逝かせないと、いつまでも排泄させないわよ」
「うぅぅ……ぐぅぅぅ」

 黒ゴムに覆われた頭部をグリグリと秘部に押しつけられて、綾乃はヴェロニカの愛液と自らの唾液によって美貌を濡れ汚していく。
 上官であり恋人でもあった綾乃の無惨な姿を見下ろし、ジッと見つめる比奈子。その瞳には嗜虐の炎がチラついていた。
 凛として麗しかった綾乃が、自分も受けた厳しい調教によって徐々に奴隷化されている。その事実に昏い快感を感じているのだ。
 
「どうせだから、手伝ってくれない?」

 密かに昂らせていた比奈子を見透かし、ヴェロニカは笑みを浮かべる。

「恋人としてパートナーのツボも把握しているでしょう? 今度は奴隷の先輩として可愛がってあげてね」

 ヴェロニカの提案はとても甘美に聞こえた。その言葉に導かれるように綾乃の脇に屈むと、比奈子は秘部を責め続けるバイブレーターの基部へと手を伸ばした。

「――んんッ!?」

 単調な機械的な動きに変化が起きていた。明確な意思をもって淫具が動き始めたのだ。
 あきらかに人の手による操作によって、綾乃の感じやすいところを責められはじめた。 

(――誰かいる!?)

 ヴェロニカ以外に人がいる事実に、わずかだが動揺してしまう。
 捕獲されるときには確かに女性兵士の協力はあった。だが、囚われて調教の段階になってからはヴェロニカ本人にしか出会っていない。
 ここに来て新たな人物の介入があるとは、正直、思っていなかったのだ。

(それにしても……くぅ、上手いな……)

 心で抗おうとも連日の調教で開発され、媚薬漬けにされている肉体は感じやすくなっている。
 そこを綾乃が弱いところを探し出して重点的に責められたら耐えられるものではない。
 自分でも呆れるほど簡単に絶頂へと追いやられてしまうのだ。

「ぷはッ、あぁぁッ、ダメぇぇッ」

 バイブレーターによる責めに加えて、女性らしき細い指が全身をまさぐってくる。
 最初は胸の膨らみや尻の張りを確かめるような軽い動きが、次第に大胆になっていく。
 弾けんばかりに弾力ある乳房へと指を埋め、量感を確かめるように優しく揉みほぐしていった。女ならではの指使いで、肉丘全体を刺激しながら硬く腫れあがった乳首を愛しげに愛撫してくるのだ。

「や、やめて、あぁぁ、いやぁぁッ」

 長時間におよび便意にさらされていた綾乃は、すでに限界も近かった。少しでも早くヴェロニカを満足させて、トイレに行きたい状況なのだ。
 つい弱々しい声を漏らして、正体不明の相手へと顔を向ける。
 だが、すぐにヴェロニカによって首輪の鎖を引かれると、再びレズ奉仕に戻るよう強要されてしまうのだった。

「んッ、うんッ……はぁ、はぁ、はぁ……うぅ、うふぅん」

 苦しそうに冷や汗をたらしながら懸命に奉仕を再開する。それを追いたてるように、比奈子は責めを激しくしていった。

「あぁ……うむッ、んッ、んんッ――ぷはッ、あぁッ、いくッ」

 淫泣きを撒き散らしながら、それでも舌での奉仕に続ける。
 比奈子の手によるバイブレーターで責められながら綾乃の腰がカクン、カクンッと跳ねてしまう。
 最早、耐えられない。激しく昇り詰めるのを我慢できず、必死にヴェロニカに奉仕を続けた。
 そうして、彼女も巻き込んで綾乃は絶頂へと達するのだった。


 ようやく排泄を許された綾乃は、浴室で泣く泣く排便することを許された。
 ヴェロニカの調教によって何度も強制排泄させられていた綾乃だが、誇り高い彼女にとってそれは慣れることはない屈辱的な行為だった。
 下半身を露出した姿のまま浴室のタイルの上に屈み、人前で排泄させられる。
 今回は、さらに誰ともわからない人物にまで屈辱的な姿を見られてしまうのだ。
 だが、どんなに気高い人物であろうが激しい便意には抗えない。恥辱に唇を噛み締めながら、排泄をはじめるほかなかった。

「はぁ、はぁ、はぁ、うッ……くぅぅッ……でるッ」

 チョロチョロと排尿からはじまり、放屁へと続く。そして、おびただしい流動便がはじまる。
 激しい腹痛をともなう便意からの解放、それにある種の恍惚感を感じてしまう。
 怒りと憎しみに彩られていた彼女の心に、それらを霧散させてしまう甘い痺れをともなう不思議な感覚が混ざり込んでくる。
 それがなんなのか理解できず、ただ戸惑いを覚えてしまう。
 ようやく排便が終わったとしても、それで許されたりはしない。
 今度はぬるま湯を使った浣腸を三度も行われて、入念に腸内洗浄が行われていった。
 そうして、ようやく浣腸責めから解放される頃には、反抗する気力も体力も奪われているのだった。

「さぁ、まだまだ愉しませてもらうわよ」

 首輪の鎖を引かれながら連行されたのはベッドの上だ。
 その上に転がされた半裸姿の綾乃を、ボンデージ衣装に着替えたふたりが見下ろす。
 ヴェロニカは白いエナメル素材の女王様スタイルの衣装だ。
 ビスチェとガーダーを身に付けて、股下まであるロングブーツとロンググローブを装着している。
 その隣に控える比奈子は赤革を使用した奴隷衣装だ。
 ひし形になるよう組まれたハーネスが裸体を卑猥に変形させ、豊かな乳房や細腰を締め上げていた。
 その細首に装着された首輪と手足の枷が、彼女が隷属する身分であるのを明確にしているのだった。

「しゃぶりなさいッ」

 それぞれの腰には装着したペニスバンドの疑似男根がそびえていた。
 比奈子はそれをいまだ全頭マスクに頭部を覆われた綾乃に突きつけると、連日の調教で覚え込まされているのだろう、躊躇しながらもそれを口に咥えていく。
 舌腹を押しつけるようにして唾液を塗りこんでは、頬をすぼめてスロートを開始する。
 奴隷奉仕をするその姿を目にして、比奈子は沸き上がる快感にゾクゾクッと身を震わせ、次第に恋人のときには隠していた嗜虐欲を露わにしていく。
 両手でラバーに包まれた頭部を持つと、自らも腰を振りはじめた。容赦のないイラマチオによって喉奥を突かれた綾乃は激しくむせてしまう。

「ごほッ、げほッ……」
「ほら、勝手に休まないでッ」
「――おごッ!? おぇッ、うぐ、ぐぅぅぅえぇぇッ」

 毎夜のように甘く愛を語り合った仲とは思えない激しい行為をする比奈子だが、元からそういう性癖だったわけではない。
 ヴェロニカによる調教を受けて、被虐の快楽を心身に刻みこまれた結果、隷属する悦びとともに支配する楽しみも覚え込まされていたのだ。
 いまでは優秀な手駒としてだけでなく、こうして調教の助手としても活用されることで、ますます嗜虐の才能を開花させていた。

「さぁ、そろそろ交代しましょう。今度はたっぷりとご褒美をあげなさい」

 ヴェロニカにフェラチオ奉仕を堪能する役を譲ると、ベッドに膝をつかせた綾乃を背後から犯す準備にはいる。
 その気配に身を硬くする綾乃だが、わかっていても彼女にはそれ以上できることはない。
 唾液で濡れ光るブラックメタルの人造ペニスが、ゆっくりと股間へと近づけられる。だが、それは彼女が予測した場所とは異なるものだった。
 切っ先は愛液を溢れさせている秘裂ではなく、排泄によって赤く爛れている肛門に押し付けられたのだ。

「んん――ッ!?」
「間違ってないわよッ、ふふふッ、そういえば、少佐……いえ、綾乃は私にはここを触れさせもしなかったわね」
「こちらも疎かでは困るよ、さぁ、愛しの恋人にアナルを可愛がってもらう間も、しっかり奉仕するんだ」
「ぐむぅぅぅッ!!」

 両腕をアームバインダーで拘束された上に、膝をついての不安定な体勢だ。さらには浣腸によって体力をゴッソリと奪われており、身体に抗うだけの力を込められそうにない。
 そうしている間にもグリグリとこじ開けられた肛門に漆黒のペニスバンドが侵入しようとする。

「ほら、力を抜かないとお尻の穴が裂けちゃわよ」
「ぐぅッ、うぅぅ」

 爛々と瞳を輝かせる比奈子は、残忍な笑みを浮かべながら肛門へとペニスバンドを挿入していく。
 異物が排泄器官に侵入してくる感触に、ヴェロニカのペニスバンドを咥えさせられた口から苦悶の呻きがあげられた。

「んぐぅ――ッ!!」

 括約筋を押し広げながら、徐々に挿入が深まっていく。最後にズンっと一気に深められた衝撃に、綾乃の口からひときわ甲高い呻きがもれる。
 ピクピクっと震える身体を見下ろして満足した比奈子は、今度はゆっくりと腰を使いはじめた。
 腸壁をえぐるようにピストン運動を繰り返して、恋人だった上官の排泄器官を犯す。
 その光景を同じく喉奥までペニスバンドを呑み込ませたヴェロニカは、満足そうな笑みを浮かべて眺めていた。


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