年下の彼女はツインテール(バッドエンド2)

【6】好きな人と一緒なら幸せです

 教会に赴くとシスターたちが出迎えてくれた。

「準備は出来ているよ」

 それだけ告げるとシスター・ショコラが奥の部屋へ行くように促す。
 昨夜の惨事を知っていながら余計なことを言わないのは、彼女なりの気遣いなのだろう。
 声を掛けようか迷っているシスター・シフォンに後でと声をかけて、フラフラと足取りも怪しいノノを抱えて奥の部屋へと連れて行く。
 暗殺もじさないエージェントであったノノは、今までなら人の生き死にでショックを受けることはなかった。
 だが、俺と暮らすようになって人並みの日常を過ごすうちに、徐々に変わってきていた。
 最近では、無駄な殺しは避けるようになっていた。もちろん、殺しにくる相手に容赦はしないが、それは俺や周囲の人を巻き込まないためだ。
 それ故に、ノノ自身は意図してなかったとはいえ、関係ない一般人が巻き込まれた今回のことがショックなのだろう。

「しっかりしてくれ、ノノも限界なんだから、ひとまず排泄してくれ」

 俺にされるままに服を脱がされて全裸になると、その小さな身体を持ち上げてシートに座らせる。
 あとは機械の方がノノを認識して処理をしてくれるはずだ。

――プシューッ

 フードが閉じられて密閉されると、四肢が拘束される。
 酸素マスクを装着したノノを、俺は心配で覗きこんでいた。

「――あぅッ!!」

 排泄管理栓が無事に解錠されてノズルが挿入されたのだろう。ノノが身体を大きく反らせていた。
 画面に次々と注入されていく浣腸液がモニターされていくのだが、その量はシスター・シフォンの時よりも多い気がした。
 事実、ノノの可愛らしい下腹部がポッコリと膨れるほどになっているのだ。

「おいおい、正常に動いてるのかよ?」
「だ、大丈夫だから……安心して」

 眉根を寄せて冷や汗を流しながら苦しげにするノノだが、どこかホッとしているようにも感じられた。
 まるで贖罪するために鞭打たれるかのように、苦しみを受け入れているかのようだ。
 だが、それで少しでもノノの心が軽くなるなら、俺には止めることができなかった。
 排泄できなかった期間が長かったからか、なかなか排泄はされない。そのために薬液が追加で注入されていく。

「おいおい、本当に大丈夫なのか?」

 まるで妊婦のように膨れ上がっていく腹部に心配させられたが、ついに排泄がはじまった。
 注入された薬液の量もあり、堰を切った噴出はまるで決壊したダムのようだ。

「はぅ、あッ、あぁぁーッ」

 濁流となって排泄される中、長い苦しみから開放されて、ノノは恥ずかしさと嬉しさの混ざった複雑な表情を浮かべていた。
 だが、肉体の方は素直だった。乳首を勃たせて、拘束された肉体を歓喜で震わせてしまっている。その姿は、まるで絶頂を迎えているかのようなのだ。
 排泄後の洗浄まで終えて、機械から開放されたノノはグッタリとしていた。
 そんな彼女を抱えてリビングに戻ると、ふたりのシスターは温かいミルクティーをいれて待ってくれていた。

「災難……だったというべきか、あれはアンタらのせいではないよ」
「わかっているよ」

 言葉ではそう答えたものの、気持ちの方は簡単には割り切れてはくれない。
 それを分かっているのだろう、シスターシフォンの膝の上でグッスリと眠るノノに優しい眼差しを向けながら、彼女は話題を切り替えてくれた。

「事故に巻き込まれた人間を調べてみたら、その中に政財界の大物がいるのがわかったよ」

 闇のフィクサーと呼ばれ、悪い噂に事欠かない悪名高い老獪だという。
 その他にも若手議員やタカ派の軍人など、面白いように重鎮たちの名前がリストから浮かび上がってきたのだ。
 それが中枢の目的だったとは断言はできないが、少なくとも偶然居合わせたとは彼女は考えていないらしい。

「でも、こんなテロみたいな見境ないことは初めてのだよ。もしかしたら、これがなにかの始まりかもしれないからアンタらも用心するんだね」

 このときの彼女の予測は正しかった。
 この後、送られてきた指示によって要人が次々と命を落としていくことになるのだった。


 それから数年が経過して、この国もすっかり荒廃していた。
 主だった政財界の要人が亡くなり、吹き荒れるテロ行為によって治安が著しく悪化したのだ。
 それによって、ついには軍部の介入を許してしまい軍事政権が樹立しようとしていた。
 街角には無骨な装甲車が停まり、自動小銃を下げた屈強の兵士たちが周囲に目を光らせる。
 上空を軍用ドローンが行き交い、犯罪者には容赦ない鉄槌を下すのだった。
 そんな殺伐とした街中を俺は歩いていた。教会で分けてもらった支給品を買い物カゴに詰めて、急ぎ足で帰宅するところなのだ。

「あッ、お帰りなさい」
「おいおい、お腹が苦しいんだから、横になってろよ」

 俺を出迎えようと布団から出ようとするノノを俺は慌てて静止する。
 最近の指示は軍事政権の擁立反対する人物をターゲットにした指示ばかりになっていた。
 それを無視したために、今のノノは長期に渡って排泄が許可されていない。
 それどころか、最近では腸内に空気を送り込んでガス抜きさせない、空気浣腸まで併用するようになってきているのだった。

(話に聞いていたコンピュータを相手にした無機質な感じとは違い、まるでキレやすい子供を相手にしているかのようだな)

 中枢の方針が変わったのか、結社のことを調べようとした者も次々と消息を断っていた。
 その中には、あのシスター・ショコラも含まれており、俺は結社から逃れることを内心では諦めていた。

(指示を拒絶するのが、ささやかな抵抗だったが、それもいつまでも出来るものではないよな……)

 嬉しそうに擦り寄ってくるノノを優しく抱きしめながら、苦しげに膨らんだ彼女の腹部をさする。
 そうして、己の無力さを噛みしめる日々を過ごしていた。


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