年下の彼女はツインテール(バッドエンド2)

【3】困ったことになりました

 帰宅したノノは、学校でわかれた時と同じ制服姿だった。
 だが、その足取りはおぼつかず、よろけたところを慌てて抱きとめる。

「だ、大丈夫か……」
「あ、先輩……エヘヘッ、ノノ……失敗しちゃいました」

 投与された薬が抜けきらないのだろう。俺に身をあずけて胸元に顔を埋めたまま離れようとしない。
 抱き上げたまま畳の上に座り込んだ俺は、ノノを膝の上に乗せたまま優しく頭を撫でてやる。

「あぁ、状況はさっき使いの者に把握……させられたよ。だが、なにをするにも、ひとまず今は回復に専念しないとだな」
「……わかりました……じゃぁ、少し先輩の胸を借りますね」
 
 弱々しい声で呟いたノノは俺の胸に顔を埋めたまま肩を微かに震えさせる。
 それを包み込むようにギュッと抱きしめてやる。それしか、今の俺には出来ることはなかったからだ。

「……少しは、落ち着いたか?」
「えぇ、先輩の匂いを嗅いだら元気を充電できましたッ」

 しばらくしてエヘヘッと笑ったノノは、胸に埋めていた顔を上げて笑顔を見せてくれる。
 だが、すぐに離れる気はないようで、ヒシっとシャツを掴んで再び顔を胸に埋めてきた。

「なぁ、流石に俺も足が痺れてきたし……って、なにスーハーしてるんだよッ」
「エヘヘッ、先輩のいい匂いだぁ」

 先ほどから一転して元気になったのは嬉しかった。
 切り替えの早さもエージェントの秘訣らしいが、そのスイッチに俺の体臭が使われるのは複雑な気分だ。

「や、やめろッ、変態臭いぞ、なぁ、汗臭いからさぁ、離れろよ」
「いーやーでーすーぅ」

 まるでセミのように俺に張り付いたまま、スーハーッ、スーハーッと体臭を吸ってはウットリする恋人の姿に、流石の俺も引いてしまう。
 強引に身体から引き剥がそうとするも、こんな華奢な身体のどこにあるのかと疑う凄いパワーで食い下がってくる。
 激しい攻防を繰り返した末に、俺の方が根負けしてしまった。

「まったくぅ……そういやノノは連中に……あー、そのー、アレ……をやっぱり着けさせられたのか?」
「はいッ、見事に装着されちゃいましたッ」

 言葉にするのも照れる俺とは違い、ノノの返事は明瞭だ。
 俺のもとから飛び退ると、その場でスカートを脱ぎ捨ててお尻を向けてくる。

「ば、ばかッ、少しは躊躇しろッ」

 肛門どころか派手に排泄させられたノノの姿も見たことのある俺だが、それでも慎みは忘れて欲しくはないものだ。
 薄い尻肉のヒップ突き出すのが恋人とはいえ、女の子に突然お尻を見せられては赤面してしまう。

「先輩って本職の方も怯むような強面なのに、こういう時は赤くなって可愛らしいですよね」

 クスクスと笑われてムッとした俺は、意地悪をすることにした。
 目の前の白く綺麗なお尻に手のひらを叩きつけて掴むと、押し広げてみせる。
 そこには、あの美少女シスターと同様に銀の筒を咥えこまされた肛門があった。

「あぁン、もぅ乱暴ですねッ」

 少し照れ臭そうにしているものの元気を取り戻したノノの様子にホッとしつつ、目の前の肛門に注視する。
 本来なら硬く窄まっている場所には、銀色の筒が顔を覗かせていた。
 体外に出ている部分の太さは五百円玉ぐらいの太さだ。飛び出しているのは僅かで下着を履くのに邪魔にはならなそうだ。
 しかし、本来なら閉じているべき肛門が常に開かされる状態にノノも落ち着かないのだろう。

「ど、どうですか……やっぱり、ちょっと恥ずかしいかも……」
「悪い、もうちょっと見せてくれ」

 器具の底面はキッチリと隙間なく蓋がされており、表面には細長いスリットが並んでいる。
 どうやら、そこが可動するようだが、今は硬く閉じられている状態になっていた。

「鍵穴らしいのはないな……確か電子キーを使うようなことを言ってたな……」

 それならば電源を内蔵しているはずで、当然ながらいつかは交換なり充電が必要となるはずだ。
 だが、いろいろ試すにも刺激を与えて仕込まれているという爆薬が動作されても危険だ。今は見ることしか出来ない。

「ど、どうですかぁ? うぅ……やっぱり気になるのでノノも自分で見てみたいです。ちょっとスマホで写真を撮ってもらっていいですか?」
「お、おぅ、わかったッ」

 手渡されたスマホで器具を撮影する。いろいろと角度を変えては、シャッターボタンを押していった。

――カシャッ……カシャッ

 夜中の自宅とはいえ、下半身を丸出しにした制服姿の少女の尻を次々と撮影している男子学生という構図は、いろいろのマズイものがあった。

(傍からみるとバカップルが変態写真を撮っているみたいだよな……)

 そう思っていたのはノノも同じらしく、撮影を終えるときまずいにふたりして照れ笑いを浮かべることになった。

「うーん、うーん……どうなっているのかなぁ?」

 俺の膝の上に座り込んで、ノノは撮影した画像をいろんな角度で見だした。
 首を傾けてはウンウンと唸る姿に、不謹慎にも可愛いなっと思ってしまっていた俺だが、突然、彼女がビクッと小さな身体を震わせて立ち上がった。

「えッ、なんで……」

 狼狽した様子でオロオロしだすのだが、すぐにお腹を抱えてうずくまってしまう。

「ど、どうしたんだよ」
「お、お腹が……うぅ、お腹がはって……くぅぅ……だ、ダメですぅぅ」

 どうやら排泄管理栓に異変があったようだ。
 無理やり尻を突き出すポーズにさせて再び確認すると、底面にあったスリットが開いていた。
 どうも、そこから空気を吸い込んでいるらしく、その影響でお腹が張ってしまっているようなのだ。

「なんなんだよ、どうすれば……」

 汗を浮かせて苦しむノノの姿に動揺してしまう。
 オロオロしている間に、丸まった小さな身体はプルプルと震えだしていた。
 緊迫した空気の中、排泄管理栓からカシュッと何かが切り替わる音がした。

「う、うそッ、なんで……だ、だめぇぇぇッ」

 切羽詰まった声とともに、次の瞬間にはスリットから盛大な音が鳴り響く。

――ブゥゥゥゥゥゥッ

 放屁というには、あまりにも大きすぎる音だった。
 まるで法螺貝を吹いたかのような盛大な音が室内どころかボロアパートにも響き渡りそうな勢いだ。
 その発生源は確かにノノで、流石の彼女も羞恥で顔を真っ赤にしながら涙まで浮かべている。

「ノノ、もしかして……」
「ち、違うんですぅ……栓が勝手にお腹を膨張させたんですッ」

 慌てて訂正した彼女の言葉によると、直腸まで埋め込まれた排泄管理栓が振動して腸内に空気を送り込んできたというのだ。
 腸内に溜められた空気が逃げ場を求めたところで、栓の底部にあったスリットから逆に空気が抜けだした。その際に、スリットの形状のせいか先ほどのような大きな音を立てて、ガス抜きされたのだった。

「お、落ち着け、も、もぅ、終わったみたいだぞ」

 動揺するノノを落ち着かせようと、スリットが再び閉じられたことを伝える。
 するとノノのスマートフォンが着信のメロディを奏でてきた。

――♪

 電話先は、ノノと一緒に拐われたクラスメイトの唐木田 理沙(からきだ りさ)だった。
 ノノと同じく開放されて気づけば自室のベッドに横たわっていたらしい。
 茫然自失となっていたところ、時計の針が零時を指したところで急にノノと同じ事態に遭遇していたのだ。
 ふたりの情報を総合すると、やはり先ほどのは排泄管理栓によるガス抜き機能であるのは間違いないようだ。
 強制的に腸内にたまったガスを排気するのだが、その勢いが強いために大きな音が発生してしまうのだ。

(大きな音がするのは欠陥なのか、それとも故意なのか……どちらにしても多感な少女には酷な仕掛けだよなぁ)

 ひとまず、再び動作する気配はないのを確認し合うが、これでは安心して外も出歩けない。
 ひとまず朝になったら情報を得るために集まり、手渡されたカードに記載された教会へと赴くことにした。


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