嗜虐遊戯 ―女性警察官を弄ぶ上級令嬢―

【2】白井 春江

 夜が明けて、行方不明になった千秋が、何らかの事件に巻き込まれたとみて、署をあげての大々的な捜査に行われた。
 手の空いている署員が総出に周囲を探索し、聞き込みをおこなった。
 だが、手掛かりらしい情報をなにも掴めずに、そのまま三日が経過してしまう。
 その日も捜索から戻った春江は、憔悴した様子で署の廊下に設置されたソファに座る。
 そんな彼女に、冷たい飲み物を差し出す者がいた。
 交通課に所属する橙木 夏子(とうのき なつこ)と灰河 冬美(はいかわ ふゆみ)だ。
 夏子は春江と同じ高校であり、二つ上の先輩であった。
 千秋ともルームシェアして一緒に住んでいる仲であり、ふたりと縁深い関係の人物なのだ。
 趣味のサーフィンで焼けた褐色の肌と肩まである茶色がかった髪をアップにまとめ、野性味が溢れる美人だ。
 その後ろで気弱そうに佇んでいる相棒の冬美は、この春に配属されたばかりの新人で夏子は彼女の指導係でもある。
 彼女らもまた夜通しでの探索を終えて戻ってきたところなのだ。

「大丈夫? 少しは寝れてる?」

 水滴の浮いた缶コーヒーを差し出しながら優しく微笑んでくる。
 それを受け取り首を振りながらも、春江は夏子の目の下に隈ができているのに気づく。
 同居するほど親しい人が行方不明なのだ、彼女自身も心配で寝れていないのだろう。それでも、後輩を心配して労るだけの器量がある女性なのだ。

「少しは寝ないとダメだぞ。少しは私たちを信頼して、仮眠したらどうだ?」
「ありがとうございます。でも、もう少しだけ調べたいことがあるので……その後には必ず寝ますから」

 缶コーヒーをグビグビと飲み干して無理矢理にでも笑顔を見せてみる。
 そうして、背を向けた春江は表情を改めて外出していくと、その後ろ姿を夏子と冬美は心配そうに見送るのだった。

「あの時、千秋の元へと戻ってきたアタシが見たのは、配達員だけだった」

 運送会社の制服を着たふたり組が、台車で段ボールを運んでいるのと出会している。
 あまりにも日常に溶け込んだ姿なので、気にも留めなかったが、仮にあの中に千秋がいたのなら街中にある監視カメラに彼女の姿が残っていないのにも合点がいく。
 もちろん、捜査課の連中も気づいて調べているはずで、それでも疑わしいことは何もでていない。
 
(それでも、現場にいたアタシなら、なにかわかるかも知れない)

 藁にでもすがるような想いで最寄りの営業所へと歩いて向かった。
 その背後をピッタリとついてくる人影があった。尾行することに慣れた人物のようで、周囲に自然に溶け込み、春江にも気づかせない。
 耳に差し込んだ無線機を使い、しきりに誰かと連絡を取り合っていると、しばらくして春江の横に車が横付けになった。
 
「よぉ、どこに行くんだい? よかったら送っていくぜ」

 相手は人当たりの良さそうな笑顔を浮かべる中年男性だ。すぐに、それが捜査課のベテラン刑事だと気づく。
 署内の道場で柔道の練習をしている時に、なんどか挨拶を交わしたことがあったのだ。
 
「俺らは運送会社にちょっと聞き忘れたことがあるってんで行くところだが、お前さんはどこまでだい?」

 後部座席から顔を出す彼の他に、運転席には見慣れない背広姿の男が運転をしていた。

(こんな人、署内でみたっけ?)

 疑問に思うものの、春江も署内すべての人物を把握できているかは自信がない。
 顔見知りの刑事が乗っている事実を前に、些細なこととして脇へと押しやってしまう。

「では、アタシも同席していいですか? 現場にいたアタシなら、なにか気づけるかもしれないですッ!!」
「おぉ、いいぜ。じゃぁ、悪いが助手席に乗ってくれよ」

 促されるままに助手席に乗ると、車は静かに走り出す。

(……あれ? なんだろう? なにかが変な気がする)

 走り出して暫くすると違和感を感じるのだが、寝不足で思考が鈍った状態ではすぐに気づけない。
 ようやく、違和感の原因が車載されているべき無線機がないことだと、気づくまでに時間がかかってしまった。

(あれ……これって覆面パトカーじゃないの?)

 異変に気づいても、全てが手遅れだった。背後からまわされた腕が首に巻きつき、チクリッと首筋に痛みが走る。
 後部席に座っていた顔見知りの刑事が、首筋に注射器でなにか薬物を注入したのだ。

「ぐぅぅ、なにを……」
「署長命令なもんでなぁ、悪く思うなよ」

 グニャリッと視界が急に歪みだして、徐々に意識が遠ざかりはじめる。

(まずいッ、逃げないと……)

 首を締める腕を解こうと掴む手から力が抜けた。
 すでに身体が弛緩して逃げ出すこともできない状態に陥ってしまっていた。

――バタンッ

 後部座席から刑事が降りると、車は再び走り出す。
 そうして、行き交う車に混じり、意識を失った春江と連れて走り去っていった。


 フワフワと宙を舞うような感覚をうけながら、春江は意識を取り戻していった。
 重い瞼をひらいて朦朧としながら周囲を見渡すと、周囲が白く染まっていることを奇妙に思う。

(うぅ……アタシ……どうしたんだっけ?)

 顔見知りの刑事に誘われて車に乗ったところで、襲われたことを思い出す。
 同時に、仰向けに横たわる自分の身体の異変にもようやく気がついた。
 
(あれ、身体が動かないッ、なんで? それに喋れない?)

 口の中になにが押し込まれてパンパンに膨れていた。そのために舌が押し付けられて呼吸もままならない状態にされているのだ。

「うぅ――ッ」

 身体も金属製のフレームに挟まれて空中に持ち上げられていた。
 日の形をしたフレームの各所に設置されたリングに手首と太もも、足首、そして首がカッチリとはまっている。そのせいで後ろ手に組まされて、がに股になったポーズで固定されているのだ。

(なんだよ、これッ)

 自由になろうと抗うものの、フレームがわずかに揺れるだけでびくともしない。

(なに、なんなの? なにが、どうなっているの?)

 汗だくになりながら、身に付けている衣服にも違和感を感じる。
 胸元のボタンはすべて外されてインナーやブラジャーが消失していた。お陰で、筋肉質だが細身な体型にしては大きな乳房が剥き出しになっているのだ。
 ボタンが外された青いワイシャツを押し開くように双乳が突き出されて、その谷間をネクタイが挟まっていた。
 下半身にいたってはズボンどころかショーツまで脱がされている状態で、がに股のポーズでは隠すこともできず、綺麗に手入れされた黒い柔毛がしっかり見えてしまっている。
 そのくせ、手には白手袋、足にはソックスが履かされた中途半端な姿なのだ。かえって全裸でいるよりも羞恥心を煽られてしまう姿だった。

(くそーッ、なって格好だよッ)

 耳まで真っ赤に染まる勝ち気そうな顔立ちには、鼻から下を覆う黒革の開口具が装着されている。
 筒状の基部が噛まされているお陰で、顎が外れんばかりに開かされてしまっていた。
 枷は頬に食い込むほど締め付けられて、鼻脇を通り登頂部を通されたハーネスとともにガッチリと後頭部で施錠されていた。
 
「うぐぅッ、ぐぐぐぅぅ……」

 口に開いたリングからバルーンギャクが押し込まれて口腔で膨らんでいるのだ。ブランと垂れ下がるチューブの先でポンプがプラプラと揺れていた。
 それから、いくら暴れても拘束は解けそうもなかった。ポンプギャグで呼吸制限されているのもあり、汗だくになりながら早々にスピー、スピーッと鼻で息を整えることになってしまう。

(いったい、どうして……)

 その疑問に応えるように、身体が急に動き出す。拘束してる器具である開脚フレームバインダーを掴んでいたロボットアームが彼女を移動させているのだ。
 スムーズな動きで横になっていた身体が起こされながら、降下するとフレームと床の間を三センチの距離でピタリと止まる。

「やぁ、おはよう」

 目の前には少女が立って、ニコニコと笑顔を浮かべていた。
 その金髪碧眼の美少女には、春江も見覚えがあった。

(この娘は、確か猩々緋 有栖……)

 千秋とともに万引きの容疑で取り調べをした少女であることを瞬時に思い出す。
 その特徴的な容姿もあったが、事件後にタヌキ署長にさんざん嫌味を言われたので忘れたくても忘れられないのだ。

(なんで……どういうこと?)

 光沢を放つ漆黒のボディスーツ姿の有栖は、上機嫌な様子で困惑する春江をみてくる。
 そして、その足元には奇妙なものが佇んでいるのに気づく。
 そこには半裸姿の女性が黒革の拘束具で自由を奪われた姿でいたのだった。

――その女性も春江と同じ女性警察官なのだろう、制服である青いワイシャツの胸元は同様にはだけ、小振りの乳房が剥き出しになっている。ネクタイや白手袋ははめているのに、他は脱がされているのも同じだ。

――四肢は折り畳まれて、それぞれを黒革の拘束具で包まれている。肘と膝部分のパットをついて立たされている姿は、まるで四つ足動物のように見えた。

――スリムなボディのモデル体型の女性は、突きだしたヒップからフサフサの尻尾を生やしていた。その根本のプラグが肛門に深々と挿入されてモーターの音を響かせながら内部で蠢いているのだ。

――身体に取り付けられた淫具はそれだけではなかった。硬く尖る乳首を挟み込むクリップについたローターが振動し、秘裂へと挿入されたバイブレーターが膣内で激しく暴れて溢れ出す愛液を周囲に撒き散らせているのだ。

――頭部はラバー製の全頭マスクでスポリと覆われている。顔の細かい隆起がわかるほど密着して唯一、口許だけが露出を許されていた。真っ赤なルージュをひかれた唇を抉じ開けるように噛まされたボールギャク。その樹脂製の球体に開けられた穴からはダラダラと唾液が滴り落ちていた。

 少女に首輪の鎖を持たれた女性の無惨な姿に、春江は表情を歪ませる。
 だが、すぐに女性の口許にあるホクロを目に気づき、驚愕にすることになった。

「んん――ッ!!」
(千秋ぃッ!!)

 春江の叫びに誰かがいることに気づいたのだろう。恥ずかしい拘束姿をみられていることに身を縮ませて後ずさりしようとする。
 それを有栖に首輪の鎖をひかれて阻止された。

「うふふ、どう、可愛いでしょう? 最初はひどく抵抗したけど、お尻を重点的に責めてあげたら大人しくなったの」

 まるでペットを紹介するかのようにヒトイヌ拘束姿の千秋を見せつけてくる。
 手にした端末を操作して、装着された淫具のモーター音をひときは大きくすると、ボールギャグを噛まされた口から喘ぎ声が止まらなくなった。

「おぅ、おぉぉぉぉンッ」

 愛液を撒き散らすヒップを振りたてて、まるで牝犬の遠吠えのように喘ぎ続ける。
 落ち着いた物腰で、常に冷静沈着だった相棒とは、とても同一人物とは思えないほどの恥態だ。
 喘ぎ悶えて、激しく絶頂を迎える姿に、春江は呆然とさせられてしまうのだった。

「ねッ、スゴい乱れようでしょう? 逝きやすくなるように改造中なの」

 クスクスと楽しそうに語る有栖は、腰にぺニスバンドを装着しながら、これまでの調教の様子を語ってみせる。
 そして、何度も逝き続ける千秋の秘部からバイブレーターを引き抜くと、今度は装着したぺニスバンドで犯しはじめるのだった。
 かなりの太さのあるブラックメタルのぺニスが、たいした抵抗もなく挿入されいく。
 ズンと一気に腰を突き入れられて、四つん這いになった女体が大きく仰け反る。

「おおぅ、おぉぉンッ」
「ほら、見ててね、この女はすぐに逝くよッ」

 有栖はパンパンと腰を叩きつけはじめながら昂った声で告げてくる。
 対する千秋は、込み上げる肉悦に首を左右に振って必死に耐えようとしているようだ。
 だが、再び端末で取り付けられた淫具を操作されて抗えなくなる。
 堪えようとしても溢れだしてしまう淫泣きが悔しいのだろう。白手袋をはめた手が強く握られ震えてしまっていた。

「ほらほら、いつもみたいに派手に逝ってみなさいよ」

 年下の少女にいいように翻弄され、耳元で言葉でなぶられる。
 イヤイヤと首を振るものの、透き通るような白い柔肌はピンク色に染まり、汗を吹き出させた裸体は痙攣が激しくなる。
 追い込まれていく女体の状態が嫌でもわかり、春江は憤怒の呻き声をあげる。

(あぁ、やめてッ、もぅ、やめてぇぇぇッ!!)

 どんなに叫ぼうとも、開口具とバルーンギャクのせいで、わずかな呻きにしかならない。
 それを有栖は心地よく受け止めながら、ピストン運動を早めていった。

「それ、逝けッ、逝っちゃえッ!!」
「おぉぅッ、おごぉぉぉぉッ!!」

 まるで獣の叫びのようだった。獣の交尾姿で犯されながら千秋は普段の姿からは想像もできない喘ぎをあげて、相棒に絶頂姿をさらすのだった。


 絶頂を迎えさせられて激しく身を震わせる千秋。その彼女から有栖は身を離した。
 挿入されたペニスバンドが引き抜かれて、開いたままの秘唇からゴポリッと白濁した愛液が溢れ出す。
 それを目を細めて見下ろした有栖は、噛ませていたボールギャグを外すと代わりに嫌がる千秋に腰の人造ペニスを咥えさせた。
 全頭マスクで覆われた頭部を掴み逃げられなくすると、強引に喉奥まで挿入していく。

「うげぇ、おぇぇぇッ」

 喉を突かれて千秋は激しくえづいてしまう。それでも構わす春江に見せつけるように口腔奉仕を強要するのだ。
 その容赦ない責めを受けさせられる相棒の姿に、春江は悔し涙を浮かべてしまう。
 そして、憎しみを込めな目で有栖を睨むのだ。

「あぁ、それッ、それが見たかったの。やっぱり、正義を守る貴女たちは、そうでなくっちゃッ」

 憎しみの眼差しを向けられて恍惚とした表情をみせる有栖の予想外な反応に、流石の春江も戸惑いを覚える。

「うふふ、なんでこんな事をするのか、わからないって顔よね?」

 千秋の口からペニスバンドを引き抜いた有栖は、鎖をひいて千秋の側までやってきた。
 そうして、全頭マスクで視界を塞がれた千秋を誘導すると、彼女の顔を無謀にさらされている目の前に秘部へと近づけさせていく。

(な、なにを……あぁ、ダメよッ!?)

 鼻先に押し付けられたのが女性の性器だと気づいたのだろう。顔を背けようとする千秋だが、有栖はそれを許さない。
 頭部を掴んでグリグリと押しつけられて、ついに観念した千秋は舌を伸ばしてチロチロと愛撫を開始するのだった。

「んぷッ、ふッ、あぁぁ、うむぅ」
「んッ、んんぅッ……んぐ――ッ、むぐ――ッ」

 相棒による愛撫を受けて春江は身悶えしてしまう。
 逃れようにも開脚フレームバインダーで、がに股姿に拘束されていては逃れることはできない。
 子犬のように舌を伸ばしてチロチロと秘部を舐めてくる千秋の愛撫に、次第に肉体が反応してしまう。
 愛液が滲み出して、包皮におおわれた肉芽が大きくなりはじめる。
 その反応を察知した千秋は、いっそう愛撫に熱を入れてくるのだった。

(あぁ、だめッ、だめよ……あぁ、なんで、そんなに上手いのよ)

 はじめて受ける同性からの愛撫に戸惑い、それでも与えられる刺激の甘美さに身を震わせてしまう。
 すでに有栖が手を離しても、千秋の奉仕は止まらなかった。相手の反応を喜ぶように刺激を与え続けるのだ。
 その様子にほくそ笑みながら、有栖も愛撫に参加する。
 開脚フレームバインダーに磔にされた生け贄の乳房を揉みたてては、硬く尖りだした乳首を口にふくむ。

「んふぅッ、んんぅン」

 唇で優しく啄まれ、舌で転がされる。時おり、歯で甘噛みされると切なげな声をこぼしてしまう。
 すでに千秋に舐められ続ける秘部からは溢れだす愛液が止まらず、軽く逝ってしまっていた。

「おやぁ、おやおや、貴女も感じてしまうのね。見ててあげるから無様に逝き姿をさらしてみてよ」

 プルプルと震えはじめた肉体に舌を這わせて、有栖は小悪魔のように笑う。
 そうして千秋と協力して追い込みを開始するのだった。

(あぁ、ダメぇぇぇッ、耐えられないッ)

 どうにか意地で耐え続けていた肉体も限界寸前だった。
 ガタガタと痙攣をはじめ、込み上げる肉悦に抗えなくなっている。
 とどめを刺そうと包皮から頭を出しはじめた陰核へと有栖は指を伸ばす。そうして、皮を剥きあげた充血する肉芽を、指先で摘まみあげるのだった。 
 
「んん――――ッ!!」

 目を見開いた春江は、フレームを激しく揺らしながら絶頂の呻き声をあげる。
 そこから、さらに二度、三度と陰核を責められて、追い討ちをかけられると、激しい絶頂の末に最後にはガックリと頭をたれて気を失ってしまうのだった。


「春江ッ、春江ぇッ!!」

 自らの名を呼ぶ声で、春江は再び目を覚ました。
 口枷を外されてあるものの、開脚フレームバインダーにがに股姿で拘束されたままだ。
 そして、正面には同様に拘束された千秋の姿があった。

――四肢の拘束具を外され、代わりに春江と同様の開脚フレームバインダーに身体を固定されていた。

――剥き出しの下半身は、柔毛は剃られてしまったのかツルリとした肉丘の下に、綺麗なピンク色の秘唇がさらけだされている。

――アナルプラグは挿入されたままなのか、フサフサの尻尾は生えたままだ。
 
――首をフレームに固定されて、後ろ手に組まされた状態ではだけた青いワイシャツの隙間から胸を突きだすようにポーズをさせられていた。

――そうして、全頭マスクは剥がされて露になった素顔で、涙を浮かべて必死に相棒の名前を叫んでいるのだった。

 それぞれロボットアームに吊られたフレームに拘束され、二人は対面しているのだ。

「あぁ、よかった……」

 意識を取り戻した春江に、千秋は安堵したようだ。
 同時に数々の痴態を見られて沸き上がる羞恥に頬を朱に染め上げている。
 それは春江も同様だった。強制させられたとはいえ相棒とのレズ行為で激しく絶頂を迎えてしまった、お互い目を合わせるのも恥ずかしい状況なのだ。

「あれれ、折角の再会なのに照れて、どうしたの?」

 千秋の背後に隠れていた有栖が顔をだす。意地悪く笑みを浮かべる姿は小悪魔のようだ。

「アンタねぇ、こんな事してどうなるかわかってるの? さっさとアタシたちを解放しなさいよッ」
「どうなるか……なんて愚問ですね。どうにもならないですよ。世の中は弱肉強食ッ、権力や金の前にはルールなんてないんですよ? ……て、ちょっと前まで私は思ってたのです」
「そ、そんなわけ……って、え?」

 戸惑う春江をよそに、有栖は指を振りながら語りだして、ふたりのまわりを歩きはじめる。

「周囲の人間は、猩々緋の名をだすだけで普通は尻込みして、ひれ伏すか逃げ出すかするわけですよ。署長さんたちが良い例ですね。今回もいろいろと便宜をはかってくれて、この事件も有耶無耶になるはずですよ。こんな事なら最初から依頼しておけば良かったですね」

 有栖の言うことには千秋を拐ったあとに、署長から協力を申し出てきたらしい。
 万引き事件の件で千秋の失踪をピンときたらしいから、権力に対する嗅覚が異常に鋭いのだろう。
 自らの保身のために事態の沈静化するよう動くだけでなく、春江の身柄を確保することまで確約してきたのだ。

「なら、アンタはなんで、こんな事をはじめたのよ」
「うーん、気晴らし……ですかね?」
「――なッ、ふ、ふざけてるの?」
「いーえ、いたって大真面目ですよ」

 父親に溺愛される猩々緋 有栖は、将来は、当主としての活躍が期待されており、幼い頃より帝王学と英才教育を受けていた。
 通っているお嬢様学校では役職にこそついてはいないものの、頭脳は明晰で、常に学年上位に名を連ねている。
 数々のクラブに在籍して賞やトロフィーを手にしており、最近ではロボットの競技大会でも優勝を果たしていた。
 そんな学内で有名な彼女は、傲らず人当たりもよい。当然、多くの者に慕われて彼女の周囲には常に人の姿があった。

――だが、それはあくまで表の顔だった……

 祖父一代で築きあげられた巨大企業グループは、その裏では人に言えぬことも数々とこなしている。
 当主として期待されていた彼女は、その教育過程で一族の暗部も知ることになる。
 祖父や父親たちが行ってきた行為から彼女が学んだのは、「金や人脈さえあれば思い通りに物事を進められる」「敵対者には容赦はせず、徹底的になぶり尽くす」という歪んだ考えだった。
 それと同時に、人を従わせるには善人として振る舞うのが重要なのも理解しており、冷徹で残酷な一面は隠してきたのだ。

――そんな善悪の極端な二面性をもったまま育った有栖であったが、最近になって困っていた……

 歪んだ教えのままに密かに邪魔者を排除してきた彼女の周囲には、気がつけば常に彼女を肯定する者だけになってしまっていたのだ。
 最初は、明確に敵対する者もいた。そういった者を人知れず拐い、なぶることで裏に潜めていた邪悪な意思を発散してきた。
 だが、そういった者が次第に学校にはいなくなり、ならばと意見が違えた者にまで範囲を広げる。
 徐々に対象を広げて、たまった鬱憤を晴らすかのように過激になっていった結果が、いまの状態なのだから自業自得といえることだった。

(……退屈ですね)

 刺激を求めて、数々のクラブに所属してみたものの、結果は芳しくなかった。
 評価が上がるものの、鬱積していく昏い感情は解消できず、注目されることで裏の活動がしづらくなっただけであるのだ。
 ならばと、治安の悪いと評判の繁華街を出歩いてみたりしたものの、こちらも目論みどおりにはいかなかった。
 父親が密かにつけていた護衛の者が、彼女が向かう先々で問題ごとを排除していたからであり、それを後にお目付け役'から聞かされ、ひどく落胆したものだった。

ーーだが、予想外のアクシデントは思わぬところで発生した……

 繁華街で飲み物を買おうと立ち寄ったコンビニで、有栖は万引きだと疑われたのだ。
 店を出たところで警らに訪れていた女性警察官に肩を掴まれて、職務質問をされてしまう。
 調べられた鞄の中から見覚えのない品が出てきて、無罪を主張するものの彼女はそのまま身柄をおさえられてしまったのだ。
 その後、監視カメラの記録映像から、コンビニ内で居合わせた他校の女生徒たちが嫌がらせで鞄に品物を忍ばせている姿が確認された。
 早々に無罪放免となった有栖だが、この事件が彼女を狂わせることになる。

(ふーん、金も人脈も効かない相手がいるんですね)

 それまでは、猩々緋の家名を出すだけで相手は怯んでいた。そうでなくても人脈を駆使してた権威や金で相手を懐柔できたのだ。
 事実、事件のあった晩には警察署長をはじめとした、お偉方がこぞって有栖の元に謝罪に訪れていた。
 だが、この威光も現場の女性警察官らには効果はないようで、そんな相手が存在すること自体が有栖には衝撃的なことであった。
 そして、同時に嬉しいことでもあった。

「へーぇ、流石は正義を守る方々ですね」

 警察官という職業を有栖は肯定していた。同時に、自分のプライドを一時的とはいえ貶めたものとしても認識してしまう。
 この一件以来、彼女の中で歪んだ欲望が渦巻き、昏い鬱積の矛先が変わっていったのだった。

「そ、そんなことの為に、こんなバカなことを……」
「えぇ、でも私の心のバランスを保つには重要なことなんですよ。だから、気晴らしにまだまだ付き合ってくださいね」 
「えッ、ちょっと、なにやってるのッ」

 吊られた二つのフレームバインダーの距離が急に狭まる。肌が触れ合う寸前の距離まで詰めて停止した。

「この上、なにをするつもりなの?」
「ふたりには、もっと仲良くなってもらおうかなってッ」
「そんなことはいいから自由にしなさいよッ、投げ飛ばすわよッ」

 冷静さを取り戻した千秋と違い、春江は怒り心頭っといった様子だ。
 そんなふたりを見比べて、有栖はニンマリと笑みを浮かべると手にしていたテグスを見せつけてくる。
 それを千秋の乳首に結びつけはじめた。

「あぁ、まさか……」
「ちょっと、えッ、なんなの?」

 向き合うふたりの乳首をそれぞれテグスで結びつけて、ふたりの間にピンと張るいようにしてしまう。
 その上、充血の治まらぬ陰核にも、同様にテグスを巻き付けていくのだった。

「くぅぅ、それダメぇぇ」
「いや、それは止めてッ、あッ、あぁぁぁぁッ」

 有栖によって張られたテグスが指で弾かれる。
 その途端、敏感な箇所に与えられる刺激にふたりは身悶えしてしまう。それが振動となってテグスを伝わり相手に伝播し、さらに相手を身悶えさせてしまうのだった。
 まるで永久機関のようにお互いを責めて喘ぎ、喘がせて、ふたりは肉体を昂らせてしまう。

「あはは、面白いね。そーれ、手助けしてあげる」

 有栖の手に握られたのは電動マッサージ機だ。コケシ型の先端がブーンと低い振動音を響かせて震えだす。
 それをテグスに当て、それぞれの秘部に当てたりとしてくるのだ。

「どう、気持ちいいでしょ?」 
「あッ、あぁぁッ、や、やめッ、やめてぇぇぇッ」
「ヒィッ、やめッ、止まらないぃぃッ」

 端末を操作され、ふたりの距離がさらに縮まる。上気した柔肌は触れあい、乳房を潰しあい、身悶えするたびに硬く尖った乳首が擦れあう。
 もう首を伸ばせば唇が触れるような距離だ。濡れた瞳で見つめあいながら、隠すこともできずに喘ぎ声をあげてしまう。

「あぁぁンッ、千秋ぃぃ、動かないでぇぇぇッ」
「春江こそぉ、あぁぁッ、、ダメなのに気持ちいいのッ」
「じゃぁ、これで、もっと気持ちよくしてあげてね」

 有栖が手にしていたのは双頭バイブだ。U字型をしたそれを、ふたりの愛液が溢れだす秘部へと挿入していった。

「あぁぁぁンッ」
「ほら、キスしながら、頑張って腰を振ってね」

 ふたりを頭を押さえつけて、強引に唇を合わせさせる。
 すでに双頭バイブで連結した腰は振られて止まらなくなっていた。グジュグジュッと秘部から愛液を溢れだして、秘部の深部を貫いていくと陶酔の様子を見せはじめた。
 じきに、どちらともなく口をあけると舌を絡めはじめる。

「んふぅッ……んんッ……うぷぅ、んんッ……」

 肉悦に溺れるように二人は舌を絡めあい、混ざりあった唾液を飲み干していく。
 その姿を満足そうに眺めていた有栖は、腰のペニスバンドに潤滑ローションをまぶして準備を進めていた。

「さぁ、私も仲間にいれてくださいね」
「ちょッ、そこは違うッ」
「可愛らしいアナル、うふふ、緩めないと裂けちゃいますよ」

 春江の背後にまわりこんだ有栖は、切っ先の菊門へと狙いを定めていた。

「ひぃぃッ、や、やめーーいやぁぁぁぁッ」

 切っ先が強引にめり込み、硬く閉ざされた尻穴を抉じ開けていく。
 悶絶する春江に、千秋は心配するが身体を伝わる振動に身を震わせてしまう。

「ほーら、もう入った」
「ぐあぁぁl、い、痛いッ、動かさないで……」
「馴染むまで待ってあげるから、腰は振り続けなさいよ」

 痛みに顔を歪める春江に耳元でささやいて、腰振りを強要する。
 そうして、ふたりにレズの絡みをさせる一方で、徐々に春江から痛みの声が薄れてくると本格的な肛虐を開始するのだった。

「ひぃッ、いやぁぁッ」
「嘘ですね。ローションには沈痛効果と催淫効果が含まれているから、もう痛みはないでしょう? それどころか……」
「あぁぁぁン」
「ほーら、気持ちよくって甘い声がでてきた」

 背後から抱きつき、有栖は春江の尻を犯していく。
 ギュウギュウと締め上げる括約筋を抉じ開けて、腸壁を抉ってみせる。

「ほら、ほら、気持ちいいでしょう?」
「あッ、あンッ、嫌ぁぁぁぁッ」

 有栖に腰を打ちつけられて腰を突き出せば、千秋と繋がる双頭バイブが膣洞を突き上げる。
 少女に突かれるたびに、女性警察官のふたりは悶え泣かされてしまうのだ。

――ピピッ、ピピッ……

 有栖の端末が電子音を奏でる。
 楽しみを中断され、不機嫌さを隠せない有栖は春江から離れると、端末の画面を確認した。

「……よかったですね。どうやら、お仲間がいらしたらしいですよ」

 それは執事として彼女の仕えている人物からの報告であり、施設内に侵入した者がいるというものだった。
 一緒に添付された動画には、女性警察官の制服姿のふたりの姿が映っている。
 すでに顔写真の照合もされて身元も判明している状態なのだ。

「これは、ぜひ、歓迎しなければありませんね」

 資料に目を通した有栖は、楽しみを中断されたことでの不機嫌も忘れて、ニコリと天使のような笑みを浮かべてみせる。


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