強者の定義 狙われた教壇のヴィーナス

【13】 女肉が奏でる被虐のハーモニー

「はぁ、はぁ、はぁ……」

 照明の光量が落とされた特別調教室に瑠華の荒い息遣いが響き渡る。
 部屋の中央、その天井と床から伸びる鎖によって瑠華は全裸で中空に固定されていた。
 背筋を伸ばした状態で、両腕を背後で真っ直に揃えさせられ、手足をそれぞれ黒革の袋でスッポリと覆われて、その上から何本ものベルトでギッチリと締め付けられている。その為、四肢を折り曲げることも出来ぬ状態で拘束され続けていた。
 上半身に取り付けられた乳枷、その肉厚の革に開けられたギザギザ縁の二穴から豊満な乳房を縊りだされ、下半身には張り型付きの貞操帯がしっかりと装着させられており、そうした拘束で身体の自由をガッチリと奪われた上に、口に噛まされた棒状の枷によって喋る自由を、目元を覆うアイマスクによって視界すらも封じられているのだった。

「うッ……うふん……」

 鼻フックで無残に吊り上げられた鼻先からは、時折、切なげな音色を響かせ、腰が切なげに揺すられる。
 彼女を拘束し、吊り上げた男たちが立ち去るとり、長時間による凌辱によって心身が疲弊していた彼女は気を失うかのように眠りに落ちた。
 だが、張形にたっぷり塗りこまれた媚薬が効果を次第に現すと、秘肉に激しい痒みにも似た激しい疼きが彼女を責め立て始めた。さらには、全身にくまなく塗りこまれた媚薬ローションによって、肌全体も熱を持ち始めび、再び、瑠華の身体を強制的に発情状態へと追い込んでいった。
 
「うぐぅッ……ぐはぁぁぁッ……」

 疲労により深い眠りに落ちいっていた彼女であったが、その疼きによって嫌が上でも覚醒させられた。
 だが、意識を取り戻したからといって疲弊した彼女に、その疼きを耐える事は難しかった。

(だめ……このままだと……また、何も考えられなくなる)

 僅かな睡眠で少しだけ回復した理性が、必死に警笛を鳴らす。
 瑠華は力を振り絞って鉛のように重く力の入らない身体に鞭打つと、拘束を解こうと必死に身体を揺すり抗い始める。

――ギチッ……ギチギチ……

 自由を得ようと抗う度に、身体を戒める拘束具が革の捩れる音を立てる。だが、ガッチリと締め付けるベルトが緩む気配はまったくなかった。

「うむ……ぐぅ……」

 それでも瑠華は諦めずに抗い続ける。

――キシッ……キシキシ……

彼女が抗う度に、身体を吊るしている鎖が金属の擦れる音を立てると共に、乳枷で根元から縊りだされた豊満な乳房が左右に揺れ、その先端にあるピンク色の乳首に噛まされたクリップから垂れ下がる鈴が澄んだ音色を奏でた。
 
――チリーン、チリーン……

「――はぐッ!? はあぁぁ……」

 鈴の揺れる反動で乳首に噛まされたクリップが激しい痛みを走らせる。だが、そんな痛みが今の瑠華の身体には、脊髄を駆け抜けるような甘い刺激となっていた。
 媚薬で再び官能を狂わされつつある瑠華にとっては、その刺激はあまりにも甘美で、柳眉がキュッと折れ曲げ、バー状の口枷を噛まされた口元から甘い響きが漏らしながら、身体をビクビクッと震わせてしまう。その震えに鈴を更に揺らし、新たな音色を奏でる。
 
「くぅぅ、あぁンッ……はぁ、はぁ、はぁ……はぁぁぁン……」

(あぁ……た、耐えないと……)

 痙攣したかのように震えだす身体を必死に押え込めようと全身に力を入れる。すると、それまで意識しないようにしていた張形を膣肉がギュッと咥えこみ、その存在を嫌が上でも強く意識させられる。
  
「ぐッ……あぁぁぁンッ!!」

 そうして、一度その刺激を感じてしまうと、もう身体が止まらなかった。
 自らの意思を無視して身体が勝手に刺激を求めて張形を強く締め付けてしまう。その刺激に身体が喜び震え、それが鈴を更に大きく震わせて、クリップが乳首を責め立てる。

「はぁぁぁ……くうぅぅンッ」

(だ、だめ……た、耐えられない……)

「ぐあぁぁッ……はぁぁぁあぁンッ」

 そうして肉体の暴走によって与えられる甘美な刺激に、瑠華の震えは止まらなくなり、ついに軽いエクスタシーを迎えてさせられてしまった。

「あ……あぁ……くぅ……」

 だが、官能に火のついた瑠華の身体はそれだけでは満足できず、更なる刺激を求めようと蠢く。
 それを瑠華の理性では既に止める事など出来ず、次第にピンク色の靄の中へと押しやられてしまうのだった。



――はぅッ……チリーン、チリーン……あぁぁぅ……ギシギシ……はぁ、はぁ……くぅぅぅ……

 薄暗い室内に、澄んだ鈴の音と共に鎖の軋む音、そして女の切なげな声による奇妙なハーモニーが絶え間なく鳴り響いていた。
 より刺激を求めるかのように瑠華の腰はもどかしげに揺すられ続け、その度に露出した彼女の肌に浮き出た汗の珠が滑り落ち、他の体液と混ざり合いながら足元へと滴り落ちていく。
 だが、厳しく拘束され、動きを大きく制限される身では、身体が求める肉欲を完全に満たす事が出来ずにいた。 

――キシキシ……

 鎖に吊り下げられ、切なげに蠢く女肉。静まりかえった室内に女の悩ましい吐息と金属の澄んだ音が響き、徐々に高まっていく。

「あぅ……うン……あぁぁ……」

 静まり返った特別調教室に鳴り響く、嗜虐心を刺激する官能的な旋律。だが、そんな誰もいないはずの室内に、いつのまにか一人の人物が忍び込み、それを傍聴していた。
 腕を組んだまま壁により掛かり、黙ってジッと瑠華を見つめている。もどかしそうに蠢く彼女の姿になにか反応するわけでもなく、ただ淡々と目の前の哀れな女囚の様子を眺め続けていた。 
 そして、その人物の頭上には監視カメラが設置されており、同じ光景を将尊の私室にあるモニターへと映し出していたのだが、その部屋の主はキングサイズのベッドの上で高々と鼾をあげながら、深い眠りについているのであった。



「へへッ、昨晩はぐっすり休めたかい? 先生よ」
「うッ……うぅ……」

 男の声と共に突然、目元を覆っていたアイマスクが外された。暗闇に慣らされた目に差し込む照明の光に、瑠華はおもわず目を細めて顔をしかめる。
 媚薬の効果の為にろくに睡眠もとれず、心身共に疲労困憊な瑠華は、思考が定まらず朦朧としていた。
 
「あぁ、涎を垂れ流してひでぇ顔だなぁ」
「その様子だと、ろくに眠れなかったみたいだなッ」
「床がお漏らししたみたいに体液でベチャベチャで、あとで掃除が大変だぜ?」

 そう言って目の前で一様にニヤニヤと嫌な笑みを浮かべながら彼女を覗き込んでいるのは、昨夜、瑠華をシャワールームへと連行していった3人の男たちだった。

「今日も坊ちゃんを楽しませてくれよなッ」
「おら、朝だぜ。シャキッとしろ」
「うぅ……」

 ガックリと俯きかけた瑠華の髪を、男の一人が鷲掴みして引き上げると、もう一人がペチペチと頬を叩いては、嘲り笑い浮かべる。だが、男たちによる屈辱的な扱いを受けても、今の瑠華には睨み返す気力も残っていなかった。
 そんな瑠華の弱々しい反応に男たちはどこかホッとした様子を見せると、顔を見合わせて乾いた笑みを浮かべ合い、慎重に彼女の拘束を解き始めた。

ジャラジャラジャラ……

 瑠華を吊り上げていた鎖を引き下げられ、彼女の身体がゆっくりと床に降ろされる。
 男たちは横たわった瑠華の手足から、慣れた手つきで袋状の拘束具を抜き取っていくと、今度は彼女の腰に枷ベルトを巻き付け、そこから伸びた鎖の先にある枷を、彼女の太ももと手首へと次々と嵌めていった。

「うッ……くぅ……」

 拘束具が肌を擦れるだけで、瑠華の身体にゾクゾクする刺激をが走る。未だ媚薬の効果が残り、彼女の身体は敏感な状態にさせられたままだった。
 ビクビクと身体を震わせる瑠華であったが、男たちはそんな彼女の肌に、無情にも新たな媚薬クリームを擦り込み始めた。

「ヒッ!? ひゃ、ひゃめ……ひぐぅッ」

 口枷を噛まされたままの口から嫌悪の呻きをあげながら、必死に男たちの手から逃れようとする瑠華であったが、疲れ切った身体に更に鎖で繋がれた枷を嵌められては、無様に身体をくねらせるだけで、逃げる事も抵抗する事もできずにいた。
 それが、彼女の強さを身をもって体験して知っている彼らの嗜虐心を刺激した。

「へ……へへッ、遠慮するなって、これ、すげー高い薬らしいぞッ」
「あぁ……その分、効果もスゲーけどなぁ」
「難しい事なんて考えてねぇで、他の女みたいにとっとと気持ちよくなっちまえよッ」

 嫌悪の表情を浮かべる瑠華の肌に男たちの6つの手が無遠慮に延び、その柔肌を這いながら執拗にクリームを塗りつけていく。

「あッ……くふぅ……」

(こんな男たちに触られて、死ぬほど嫌なのに……)

 どんなに嫌悪しても刺激を求めていた身体は、男たちの手が与える刺激に素直に反応してしまう。それが嫌で嫌でたまらないのに、口元から溢れす熱い吐息を瑠華は止める事が出来ず、それが益々、悔しかった。
 そうして、男たちの手によって何度も何度も執拗に肌に媚薬クリームが塗り込まれ、その柔肌がテラテラと濡れ光っていく。
 そうして身体の隅々まで、男たちの手で媚薬クリームを塗り込まれた頃には、瑠華は息も絶え絶えになっていた。
 ヒクヒクと痙攣したように身体を震わせる瑠華の様子に、男たちはようやく満足すると手を離した。
 そして、男の一人がリードを手に取ると、彼女の首に嵌められた首輪にカチリと繋ぎ止め、荒々しく引っ張った。

「おら!!」
「ぐぇッ」

 首を首輪によって締め付けられ、無様な呻き声を上げる瑠華。だが、男はそんな彼女に気をかけるでなく、更にリードを引きあげていく。

「おら、行くぞッ!」

 慌てて瑠華は疲れ切った身体で必死に起き上がろうとするのだか、腰ベルトから伸びる鎖は短く、四肢を伸ばす事が出来なかった。その為、起き上がれずに無様にジタバタする彼女を、男たちは嘲り笑う。

「くはは、先生なんだから、ちったは頭を使えよなッ」
「ぷはははッ、犬っころみたいに四つん這いでいきゃイイんだよ」

 男たちの嘲笑を浴び、瑠華の顔が歪む。
 だが、リードを持った男はその間にもグイグイとリードを引いてくる為、他に選択肢を考えている暇はなかった。男たちの言うように慌てて四つん這いの格好になると、男にリードを引かれるままに、その姿でついて行かざるおえなかった。

「へへッ、雌犬姿がよく似合ってるぜ、先生よ」
「あぁ、首輪に名札を垂れ下げないとな、雌犬教師”瑠華”ってな……ぷはははッ」
「くッ……」

 それまでどこか朦朧としていた瑠華の意識だったが、囃し立てる男たちに対する怒りで徐々に染まっていく。

(こ、こんな事……ゆ、許せない……)

 全裸で犬のように四つん這いで歩かされる屈辱と羞恥が瑠華の顔を真っ赤に染めあげていく。
 だが、それは同時に彼女の瞳に、再び強き光を取り戻させていくのだった。





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