昏い欲望 −ある女生物教師の願望− (3/4)

 プールサイドに立たされていたのに気付くと、悪い癖でついその状況に考えこんでしまっていた。

(なんで、こんなところに……あッ)

 気づいた時には、その隙をつかれて突き飛ばされていた。鎖付きの足枷のせいで踏ん張ることもできずに、そのまま水面へと落ちてしまう。

「んんーッ」

 水柱を上げて水没するとゴボゴボと気泡に包まれながらプールの底まで倒れ落ちていく。
 うちの学校のプールは大会を開ける競技用らしく底が深めな造りになっていた。それでも背の小さな私でも立ち上がれば顔ぐらいだせるのだけど、手足の自由を奪われている今の状況では、それも簡単ではなかった。
 しかも口に押し込められた雑巾に水が徐々に染み込んできて、口の中を濡らしはじめたから動揺してしまう。
 焦りながら痺れが残る身体で何度も起き上がろうとして失敗する。自由になろうと身体を揺すって必死にもがいてみても、手足の鎖はビクともしない。
 そうしているうちに次第に息苦しくなって、私の意識は朦朧としてきてしまった。

(私……このまま死んじゃうのかな……)

 死を目前にすると余計なものが取り払われて、いろんなモノが見えてくるというけど、私の場合はそれは無意識に抑え込んでいた願望だった。
 月の光で煌めく水面を見上げながら、私は理性に抑え込まれていた自分の秘めた想いに気がついた。

(あぁ、私が本当に望んでいたのは……)

 その時、大量の気泡をまといながら少年が飛び込んできた。続いて次々と飛び込んできた少年たちは取り囲むように立つと、ひとりが私に近づいて口から雑巾を引き抜いて、そして唇を重ねた。

「――んッ、うむンッ?」

 抗うと決めたさっきなら、唇を噛むぐらいしたかもしれない。でも、息苦しさに朦朧としていた私は、口移しでもらえた酸素に生への喜びを感じてしまっていた。
 交代して次々と酸素を口移しで与えられて、それを親鳥からエサをもらうヒナのように受け入れていく。
 だけど一回にもらえる酸素は多くはなかった。それを取りこぼさないように、必死に唇を密着させて受け止めようとする。

(あぁ、もっと、もっと空気が欲しい……)

 隙間をぬって相手の舌が絡みつき、周囲から伸びた手が下着の中へと侵入してきたけど、気にかける余裕なんてなかった。

――このまま死にたくないッ

 酸欠で朦朧とする意識の中、そればかりが頭を占めてしまう。だから、なりふりかまわずに自ら少年らに唇を重ねると、ねだるように舌を絡ませて空気を求めた。
 そうしている間に周囲の少年らは下着に手をかけて、慣れた手付きで脱がせていく。ブラジャーのフロントホックに戸惑うこともなくスルリと腕に外すと、ショーツを膝まで下げていく。そして、ひとりがノズル口のポトルを手にして近づいてくると、剥き出しになったお尻にそれを近づけくる。そのままノズルの先端を秘唇へと挿し入れられると、何かが体内へと入ってきた。

(――んぐぅッ、な、なに?)

 ニュルリと入ってくる感触に思わず仰け反って口に含んでいた大事な空気を吐き出してしまう。
 慌てて新しい空気を求めて新たな口へふるいつくのだけど、その間に足枷の鎖が外されれてスルリと膝に残っていたショーツが抜き取られていた。
 自由になった脚の間に少年のひとりが腰入れてくる。抗う間もなく密着して硬い肉棒を押し当てたかと思うとゆっくりと侵入してきた。

(あぁ、硬いのが入ってくるッ)

 さっきほど入れられたのはローションらしかった。こんな水の中なのに驚くほど簡単に私の膣内へと入り込んできた。

「んッ、うむーッ」

 ズブズブと入ってくる硬い肉棒の感触に再び口を開けそうになる。
 それを必死に堪えている間に少年は私の腰を掴んで引き寄せた。一気に結合を深められて、ズンと子宮口を押し上げられる。その感触に私の両脚は反射的にピンと伸びてしまう。
 指先が曲がり、震える脚を少年は自らの腰に巻きつけさせると、ゆっくりと私を抱き起こしていった。

「ぷはッ、けほッ、ごほッ……はぁーッ、はぁーッ」

 結合したまま抱き上げられて、私の顔が水中からでた。大口を開けて必死に空気を吸う私の姿に、囲むようにして立っている少年たちがクスクスと笑っていたけど気にもならない。ただ今は、肺に入ってくる新鮮な空気に喜びを感じていた。
 そして私の呼吸が落ち着いてくると、腰を振って私を突き上げ始める。ちょうど駅弁ファックの体勢で犯される形になった訳だけど、本来なら筋力が要求される体位も水の中ということで少年たちでも軽々とできていた。
 フォローするように、もうひとりが私の背後から抱きついてきて、後ろ手に手錠されて不安定な私をふたりで挟みこんで支えると、前へとまわした両手で乳房を揉みあげていく。

(くぅッ、こ、この子たち……手慣れてるッ)

 女性の相手、それも複数人でするのに慣れているのが、彼らの絶妙な連携で嫌でもわかった。
 責める主役である少年がいて、その邪魔にならないように他の少年たちが手を出してくる。
 それでいて溢れんばかりの性欲をもっているくせに妙に落ち着いている。まわりで待機している少年たちにはがっついた様子もなく悠然と順番を待っていた。
 手腕も女性の性感のツボをよく理解したもので、荒々しいかと思えば不意打ちのように優しいタッチを施して的確に私の弱いところを探り当てると重点的に責めてきた。

「あッ、くぅぅッ」

 正直、いままで付き合ったどの相手よりも上手で、しかも複数を相手にする経験なんてはじめてだった。

「あンッ、あッ……だッ、だめッ、そこッ」

 荒馬のように激しい律動で突き上げられながら、背後から乳房をこってりと揉みまくられる。
 残った理性が必死になにかを訴えていたけれど、それも次第に聴こえなくなった。
 身も心もしっかり蕩けさせられてしまったところに、特に弱い耳へと熱い吐息が吹きかけられる。

「あぁぁ……ダメぇぇ……」

 媚声をもらしてしまう私へ、追い討ちのように耳に舌が挿し入れられる。
もう、そうされると背筋がゾクゾクと震えだして止まらなくなってしまっていた。

「くぅン、あンッ、あぁン、だ、だめなのにぃぃッ」

 こんな状況なのに、犯されているのに、年下の少年らの手腕によって私の官能の扉がこじ開けられてしまう。
 そして、それは一度開いてしまえばそれで終わりだった。

「あッ、あッ、あぁン……イイッ」

 溢れだしてしまった肉悦への渇望を止めれるはずもなく、そこに理性が訴える正論など無意味だった。
 相手の腰にまわした両脚を強く締め付けると、自分でも腰を淫らに振りだしていた。

「あンッ、あぁン、イイわッ、凄くイイッ」

 唇を重ねられると自らふるいつき、相手の舌へと濃厚に絡ませる。
 一方では手錠をはめられた背後の手で、はちきれんばかりになって出番を待つ肉茎へと指を絡ませてシゴいていく。
 そうして溢れだす肉悦への渇望によって、私の理性は完全に消し去られていった。



 プールサイドに腰掛けた私は、足を水に浸しながら星空を見上げていた。
 あれから十二人全員を相手にして、水から上がってからもう二巡した。
 だけど一度火のついた私の官能はおさまらず、後ろ手に拘束されたまま横たわる少年の上に次々と股がっては腰を振っていた。

「あン、イイッ、イイわぁッ、もっとッ、もっと頂戴ッ」

 迸る精液を全身で受け止めながら、新たな肉棒を求めては咥えこんでいく。
 そんな色狂いと化した私の豹変具合に少年たちは嘲笑を浮かべていたのだけど、三巡、四巡と休みなく続いて終わりが見えなくなってくると次第に表情を強張らせていった。

「ほら、まだまだ元気じゃない」

 そんな彼らの乳首を優しく唇でついばんで舌で転してあげる。そのまま若い肢体に舌を這わせて下半身へとおりていくと、少し元気をなくした肉棒を喉奥まで飲み込んでバキュームフェラをしてあげて、すぐに勢いを取り戻させてあげた。
 今までの恋人たちを喜ばせたくて覚えてきた男のツボをおさえた性技の数々。それを駆使した濃厚な奉仕は、年若い彼らを快楽の深淵へと溺れさせるには充分だった。
 いつしか主導権は私に移っていて、手錠を外してもらっていた。自由になった両手でさらに二人を相手をしていくのだけど、私の細い指がカリをそっとなぞって、亀頭を優しく撫でてあげるだけで、彼らは簡単に切羽詰まった表情を浮かべて可愛らしい喘ぎ声をあげていく。
 そして、口腔と秘唇、そして菊門までも使って咥えこんでいくと、最近のトレーニングで鍛えられた下肢でギュッと締めあげるたびにビクビクと腰を震わせて射精していった。
 もう無理って弱音を吐いちゃう子が増えてきたけど、お尻に指を入れて前立腺を刺激してあげると、すぐに元気になってくれた。

「ふふッ、ほらぁ、また元気になったわッ、まだまだ相手をしてよね」

 恐い顔して必死に腰を振ってくる少年らの様子が微笑ましいと共に、尽きぬ性欲と硬さを失わない肉棒は私を魅了させていった。
 気がつけば東の空が明るくなっていた。目の前の体液でヌルヌルになったプールサイドには、文字通り精魂つきた少年たちが死屍累々の如くのびていた。

(ふふ、ついに、やっちゃったぁ)

 どうにも私は加減というものを知らないみたい。なんにでも、すぐにのめり込んでしまう性格なのは、親しい人との付き合い方でも同様だった。
 過去に付き合った恋人たちは、どの人も最初は私に保護欲を抱いて優しくしてくれた。
 そんな彼らに私も身も心も捧げて応えた。相手の好むものを細かく調べあげては自分もそれを好んで理解してみたり、彼が喜ぶことをなんでも体験してやってみた。
 それは日常的なことから夜の伽までに及んで、それに必要ならいろんな人に教えを乞い、いろんな場所に通って経験をつんでみた。その成果で相手が喜んでくれるのがまた喜しくって、ついつい私はのめり込んでしまう。
 献身的に尽くす私の姿に相手は満足そうにしてくれるのだけど、私の相手を喜ばしたいという欲求に際限がなかった。次第にエスカレートしていく私の行為に、相手は不安にかられていく。
 それに追い討ちをかけたのが私の底無しの性欲で、一度火がつくとなかなかおさまらなく、気がつくと朝になっている事も日常茶飯事で、それもあって最後には彼らは逃げるように去っていった。
 強すぎる性欲をもてあましてしまう私だけど、セックスフレンドを作って次々と一夜の相手を求めるほどには、お堅い家庭に育った私の道徳心は強すぎた。
 だから、普段から強く性欲を抑制するように努力して男性との接触も控えていたのだけど、両親が決めた今の男子校に赴任したのはよくなかった。
 相手は年若い子供たちだからと油断して赴任してきた私だけど、性に強い興味を持ちはじめた彼らが時折みせるギラついた雄の視線に、抑えていた欲望を強く刺激されてしまっていた。

――このままでは、いけない

 なんとか間違いを起こさないようにと悩んだ私は、常に毅然としている同僚教師に理想を求めた。
 性で乱れる姿すら想像できない彼女を偶像のように崇拝して、それに近づくように努力してみた。そうすれは内に潜む淫らな欲望にのまれずにいられる――そう思っていたけど、それも昨夜の彼女の姿で完全に崩れ去ってしまっていた。
 そして、だめ押しとばかりに年下の少年たちにも犯されてしまった。それも複数人を相手にするSMプレイで、最後にはアナルまで使って相手をさせられる屈辱な行為――それらは甘美なスパイスとして私に経験したこともない肉悦を与えてくれて、私の心のタガを破壊するには十分すぎるものだった。

「なんだぁ、こんなにも簡単なことだったんだ……」

 ただ一歩、足を踏み出して境界線を越えれば良かっただけだった。
 底無しの性欲を満たせる方法も、献身的に尽くして愛せる相手も、そして去られて寂しい想いをしないですむ方法も、その全てを手に入るのに必要なものは目の前にあった。

「ふふふッ、それにしても、ホント、気持ちよかったなぁ……これは癖になりそう」

 濡れて垂れ下がる前髪をかきあげると、ペロリと舌で唇を舐めとる。ドロリと濃厚な舌触りと鼻腔を抜けていく精液特有の香りにウットリしながら、私は歪んだ笑みを浮かべていた。