昏い欲望 −ある女体育教師の独白−

(どうして、こうなってしまったたのだろう……)

 遅くまで残っていた生徒たちを校門で見送ると、アタシは門を閉じて校舎へと戻った。
 カバンを置いてある職員室に向かおうと階段をのぼる途中、ポケットに入れていた携帯がメールの受信を知らせた。

(――ドクンッ)

 震える指先で携帯を操作するとメールを確認する。そこに書かれたメッセージを目にしたアタシは、歩む向きを変えて階下へと降りていった。
 すでに同僚たちも帰っていて、この校舎に残るのはアタシひとり。だからか今、浮かべている強張った表情をみる者はいないのは幸いだった。
 すでに陽は暮れていて、外は暗闇に覆われていた。ガサガサと風に揺られた木々の音だけが聞こえる中、照明の落ちた長い廊下を進むとその先にある体育館へと向かう。だけど目的地は、さらに裏手にある古びたコンクリート製の倉庫だった。
 普段は来る者もいない倉庫の中は埃臭く、古くなって使われなくなった跳び箱やボールの入ったカゴがところ狭しと並んでいる。
 薄暗い中、窓からの月明かりを頼りにそれらの隙間を抜けると奥には片付けられた空間があらわれる。
 床にはボロボロになった運動用のマットがひかれていて、その上には黒革製の袋がポツンと置かれていた。

(――ドクンッ)

 それを目にした途端、鼓動が激しくなって息苦しさに息が荒くなる。
 胸元を押さえる掌には汗をびっしょりとかいていて、目の前の袋から金縛りにあったように視線を外せないまま動けなくなってしまっていた。
 その時、周囲にはひとの気配はなかった。だけど、まるでだた立っているだけの行動に苛立ったかのように突然、モーター音が鳴り響くと股間を激しい刺激が襲った。

「――ひぐぅッ」

 電流を流されたような衝撃が背骨を駆けあがり脳天を突き抜ける。それに抗うこともできずに身を仰け反らせると、全身を激しく震わせてしまう。

「はッ、はうぅぅ……あン、あぁぁぁ」

 実際にそれに晒されていた時間は数秒程度だと思う。だけど、アタシをマットの上に崩れ落ちさせるには充分だった。

「はぁ、はぁ、はぁ……」

 全身から汗が吹き出し、口許からは涎が垂れ落ちていた。
 振動が止まった今も腰はガクガクと震えたままだった。

「――くぅッ」

 そんな無様な自分の姿に下唇を噛んでしまうアタシだけど、手は自然と目の前の袋へとのびて中身を取り出していた。

――それは奇妙なものだった。

 構成としては、黒い革でできたパーツとベルトを金属のリングで繋いだもので、幅広の黒革でできた二つのパーツの片方には、お風呂の浴槽に取りつくようなゴム栓つきの金属筒までついている。
 普通なら一見してなにに使うものかも分からない品だと思うけど、アタシはマットの上へと座り込んだままパーツの位置を確認すると頭部へとそれを被っていた。

――それの正体は黒革でできたヘッドギアだった。

 頭頂より垂れ下がる四本のベルトを起点に、横を先ほど述べたパーツと短いベルトが繋がっている。
 ちょうど額を横切るように横を走るベルトが頭を締め付ける役目をして、その下にくる幅広のパーツのひとつがアイマスクとして目元をしっかり覆う。裏に付けられたクッション部分が隙間なく肌に密着して視界を完全に塞いでしまう。
 更に鼻の下から口許までをもう一つのパーツが覆うのだけど、そこには先ほどのゴム栓のついた金属筒がくるのだった。それを顎が痛くなるほど大きく口を開いて咥えこむと、顎下と後頭部のベルトを自ら締め付けて固定をしていった。



 体育教師としてこの男子校に赴任して一年になる。
 ジャージ姿で薄化粧のアタシは男言葉で生徒たちと接するようにしていた。自分でいうのもなんだけど姐御肌のアタシを慕ってくれる生徒は多いようだ。
 容姿にもそれなりに自信があった。アスリートとして鍛練を絶やさない肉体は引き締まり、それでいて胸元や腰まわりには女性らしいラインを維持していた。
 やや走るには胸が大きいのは悩みどころだけど、女としての魅力には貢献していると思っている。
 だけど、170センチと女性にしては長身でショートヘアーでボーイッシュな容姿だからか、昔から異性にも同姓にも綺麗といわれるよりも格好いいと言われることが多かったのが悲しい事実だった。
 思い出せば過去の恋人たちもアタシを頼りにしてくる後輩ばかりで、なんだかんだでアタシが仕切ってた気がする。

(面倒見が良すぎるのも考えものよね)

 去年まで赴任していた女子校では、慕ってくれる生徒たちの行為がエスカレートしていって、ラブレター片手に告白してくる女生徒があとを絶たなかった。そして、最後には警察沙汰になる争いにまで発展してしまっていた。

(慕ってくれるのは嬉しいけど、同僚にも頼られてばっかり……)

 それに懲りて今度は男子校にしたわけだけど、ここでは慕う生徒の中に混じって雄の目でアタシの胸元を露骨にみてくるヤツらがいた。
 性的なことに興味を持つ年頃だからと気付いたら拳骨ひとつで許容していたのだけど、どこか年下だと甘く見ていたのかもしれない。

――そして気付いていなかった……

――彼らの中に巣くう昏い欲望に……

 鍛えた肉体で対抗できると油断していたアタシは、不意を突かれてこの倉庫で襲われてしまった。
 背後から頭に麻袋を被せられ、突然のことに混乱するうちに両手を背後にまわされるとガチャリと手錠をはめられてしまっていた。
 さらに麻袋の上からロープのようなモノをグルグルまかれて、口にも噛まされるとマットの上に押し倒された。
 抵抗しようにも視界は塞がれて見えないし、両手の自由も奪われていたら起き上がることもできない。唯一自由だった両脚で暴れようとしたものの、すぐに複数の人間によって押さえ込まれてしまった。

(な、何人いるのよッ)

 身体を抑え込んでいるだけでも四人はいた。それ以外にも人の気配はあったけど、全員が無言で正確な人数はわからなかった。
 その全員が興奮した様子で、荒い息づかいが聴こえたかと思うとすぐに無数の手がアタシの身体をまさぐりはじめた。
 この時になって、動きやすいと普段から着ていたジャージが仇になったと気付いた。
 簡単にズボンをずり下げられてショーツと一緒に脚から抜き取られてしまう。上着もファスナーが下げられると、手錠をされた腕まで脱がされてインナーまで捲りあげられてしまった。
 ジャージを脱がされたアタシの姿に、ゴクリと大きな音をたてて生唾を飲み込む音が聞こえた。剥き出しになった乳房や秘部に襲撃者たちの視線が集まり、彼らの興奮が高まっていくのが嫌でもわかった。
 次の瞬間には我先にといくつもの手が乳房を荒々しく揉みたてはじめると、熱い吐息と共に舌が肌を這いまわる。
 そのうちに左右の乳房に誰かが吸い付き、乳首をそれぞれ口にふくんで噛みたててきた。
 その一方では肉芽の皮が剥かれて刺激され、秘唇を押し広げた指が挿入を繰り返しだした。

「ひゃ、ひゃめぇッ、あッ、あぁン」

 恋人と別れてそういう刺激が久しい肉体は、悔しいことに簡単に反応してしまう。
 湿り気をおびはじめた肉壺が、指の挿入にあわせてグチュグチュと淫らな水音をたてはじめるのに時間はかからなかった。

「やぁン、あぁン、だめぇ……あぁぁ……」

 どんなに心では拒絶しようと思っても、肉体は肉悦に喜び、受け入れてしまう。歯をくいしばろうとしても口からは淫らなよがり声が溢れてしまう。
 それがアタシの心をいっそう苛んだ。



 そうして湿らされた肉壺にすぐに襲撃者のいきり勃った男根が押し入ってきた。
 荒々しい挿入でも簡単に受け入れてしまい、それどころか肉襞がより奥へと招き入れようと蠢きながらギュウギュウと肉棒を締め付けてしまう。
 日々の鍛練で鍛えられたアタシの締め付けは凄まじいらしく、過去の恋人たちはどれも早々に果ててしまっていた。
 襲撃者も強烈な締め付けに驚きの声をあげると、恋人たちと同じくその甘美な刺激にとりつかれたように腰を振っていく。
 その動きは自らの性欲を満たそうとする若く荒々しい律動で、やはり長くはもたずに果ててしまう。だけど、挿入された肉棒は硬さを失われず、その腰の動きも止まらなかった。
 子宮奥まで大量の白濁を注ぎ込みながら腰を激しくうち続けた。そして二度三度と果てるとようやく離れていった。

(あぁ……膣内に出されてしまった……)

 ドクドクと股間から溢れだす感触に、犯された事実を再認識させられてしまう。だけどアタシが悲しみ暮れる間もなく、すぐに次の相手が覆い被さってきた。
 精液が溢れだす肉膣へと構わず押し込まれた新たな肉棒もまるで熱した鉄棒のように熱く硬かった。そして、パンパンと乾いた肉音をたてながら、ひと突きごとにアタシの身体を激しく跳ねあげさせていった。

――そうして代わる代わる犯され、いったい何人の相手をさせられたのだろう……

 それからバックや騎乗位と次々と競うように体位を変えては犯し続けられて、ようやく彼らの責めが一段落した時には失神寸前の状態だった。
 手錠を外されて腕に引っ掛かっていた上着も脱がされる間も抵抗する気配がないのをよいことに、彼らは今度は全裸にしたアタシを緊縛していった。
 背後で組まされた両手首を大縄跳び用の樹脂製ロープで縛られると、そのまま胸の上下にも巻き付かれて食い込んだロープがギリギリと乳房を根元から絞り出していく。
 そうして脇の下でギュッと締め上げられると両腕はピクリとも動かせなくなった。ロープの残りが首の左右を通って胸の谷間を縛り乳房をさらに締め付けられた。
 両脚もそれぞれ折り曲げられると別のロープが脛と太ももに巻き付いて伸ばせられないように固定されてしまう。
 そうなれば、もうアタシに抵抗する術は完全に残ってはいなかった。
 だからか頭に被せられていた麻袋が抜きとられると目の前には目出し帽で顔を隠した全裸の男――いや少年が立っていた。
 幼さの残る体格から相手が生徒だということだけはわかった。だけど、その股間では何度も精を放ったはずの肉棒が痛々しいほど勃起しているのに目をみはった。
 周囲にいる他の者も同じ姿で、同様に股間を激しく勃起させていた。
 すぐになにかの布で目隠しされた為にそれ以上は見えなかったけど、ひとつだけわかったことがあった。

――まだ、凌辱は終わっていない……

 その事実に既に根こそぎ体力も気力も奪われていたアタシは、戦慄で縛られた肢体を震わせる。
 そんなアタシの耳に何かが押し込まれた。それは耳の中で膨らんで外の音を遮断してしまう。
 緊縛されて手足の自由は奪われただけでなく、更に目も耳も塞がれてしまったアタシは、どんどんと膨らむ不安に押し潰されそうになっていく。

「あぁ、も、もう……これ以上は――うぐぅぇッ」

 彼らに訴えようと開いた口に肉棒が押し込まれた。顔を背けようとしても頭を押さえられ逃げ出せず、グイグイと喉奥まで亀頭が押し込まれてくる。
 えずきで目隠しの下で涙が溢れ、胃液がこみあげそうになる。舌が触れる肉茎は精液とアタシの愛液にまみれていて、その生臭さがよりいっそう吐き気をもよおした。

「うぐぇ、ぐぇぇッ」

 丸まった背を痙攣させて肉棒を咥えた口端から胃液が溢れだしてしまう。止まらない涙と鼻水で酷い状態だったけど、責めが止まることはなかった。
 そうしてアタシの口を好き放題に犯す一方で、背後から別の凌辱者がまた挿入してきた。

――口と膣をふたりに犯されての3Pでの凌辱が再開された……

 今度は二人一組で彼らは飽きることなくアタシを貪り続けた。
 特に喉奥まで肉棒を押し込まれて激しく頭を振らされての口腔奉仕を強要されるのは屈辱だった。
 もちろん恋人にも口でしてあげた事はあった。でも、それはアタシからしてあげる感じで軽く舐めるようなものだったし、相手もそれで満足そうに身を震わせてくれた。
 だけど目の前の彼らは違った。まるで口を性器のように扱い、自らの凄まじい性欲を吐き出す道具としか思っていなかった。
 まるで獣のように獲物であるアタシを貪り、その尽きることのない性欲で骨の髄までしゃぶっていく。そうして、アタシは肉体だけでなく心までも砕かれていった。

――子宮や胃へと白濁の精液が何度も何度も注ぎ込まれて、気が付けばアタシはか弱い女の子のように泣き叫んでいた……

 だけど、弱々しく赦しを請う姿は彼らの嗜虐欲を大いに刺激してしまったらしい。責めの勢いはおさまるどころか激しさを増すばかりで、気を失う間も許されずに夜が明けるまで犯され続けた。
 その後、どうやって自宅のマンションに帰ったのか記憶がない。目覚めると寝室のベッドの上で、全てが悪夢だったと思いたかった。
 だけど、全身に刻まれた朱い凌辱の痕が、嫌でもあれが現実だったと知らしめた。

――そして、それは終わりではなく、始まりでしかなかったのだとアタシはすぐに知ることになる……

 いつのまにか携帯に登録されていた匿名のメールアドレス。
 翌日、その相手から届いたメールには、マットの上で白濁の液にまみれて大股を開いたアタシの無惨な写真が添付されていた。
 その後も緊縛されて複数の相手に犯されている画像や動画が次々と送つけられてきて、メールの受信音が鳴るたびに恐怖で身体が震えるようになっていった。
 徐々に精神的に追い詰められていったアタシには、素性の知れない彼らの指示に従うしか選択肢は残されていなかった。

――そうして、送られてくるメールに書かれた命令に従う『調教』がはじまった……

 手始めに、彼らが用意した様々な淫具を使って自らを慰める姿を動画として送らされた。
 それは翌日には目線を入れられて動画サイトにアップされることとなる。
 メールで知らされて、慌てて記載されたアドレス先で動画をみると、まるでアタシが自ら望んで動画をアップしたかのように加工されていて、どうみてもマゾシストな痴女のようにしか見えなかった。
 その時には、すでに多くの人に視聴されていて、瞬く間にアタシの痴態に対する下卑たコメントで画面が埋め尽くされていった。

「……なによ……これ……」

 目の前で起こっていることを理解すると、その事実に恥ずさと悔しさで死にそうだった。もちろん、凌辱者たちに対する激しい怒りがこみあげてはくるのだけど、修正されていない素顔の動画でもアップされたらアタシは終わり――そう気付くとなにも出来なくなってしまった。

――そうして、次々と送られてくる彼らの命令に従うしかなくなったアタシは、どんどんと深みにはまっていくことになった……

 週末になると正体を隠した彼ら自身の相手もさせられるようになるのだけど、生徒の前では凛としてみせてる教師のアタシが羞恥に身を震わせる姿が気に入ったらしく、全裸で野外への連れ出しやハードなSMプレイへとその行為は次第にエスカレートしていった。
 そうして、先日にはついに浣腸を施されて言わされた屈辱的な奴隷宣言まで動画サイトにアップされてしまっていた。
 肉体も縛られる事に慣らされてしまい、アナルまで開発されてしまっている。今では緊縛されたまま三人を相手に奴隷奉仕をさせられるのが普通になっている。
 日中も常に貞操帯を装着させられていて、前後の穴にバイブを咥えさせられたまま授業をさせられてるのだけど、突然、動き出すバイブによって何度も絶頂させられる日々を過ごしている。

――そして、今日もアタシの視界を奪ってから彼らはやってくる……

(――ガチャリッ)

 背後から入り口の扉が開く音が聴こえた。
 ゆっくりと迫ってくる気配に鼓動はさらに高まっていく。

――今日もアタシの反抗心はへし折られ、ただの雌として啼き叫ばせされる……

――そして、恥辱と肉悦に震えるこの身と心を踏みにじられてしまうだろう……

 これから自分の身に起こることを考えると身体が自然と震えてしまう。
 同時に彼らに対する激しい怒りに拳を痛いぐらい強く握りしめるのだけど、なぜかその先の行動をできずにいた。

――その時、アタシにはまだ気付いていない事があった……

 いつのまにアタシの心の隅にも巣くっていた――どこまで自分が堕とされてしまうのか見てみたいという昏い欲望が、無意識のうちに反抗する心を弱めていることに……





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