Express Package Service ―とある陰謀への便乗者―

 灰獲 遊大(はいどり ゆうた)は、ご満悦だった。
 リビングに置かれた一人掛けのソファふんぞり返って、サイドテーブルに置かれたグラスに注がれているブラントン・ゴールドに口をつける。
 元々、この部屋に置かれていたウィスキーだが、悪くない品だった。琥珀色の液体から立ち上る崇高な香りと深く穏やかな味わいを楽しみながらが、自らの足元へと視線を下ろす。
 そこには、この部屋の主である鹿目 桃花(かしま ももか)が、朱い鞭の痕が刻まれた素肌を晒して灰獲の股間へと顔を埋めていた。
 アームバインダ―と呼ばれる袋状の拘束具によって両腕を背後で拘束されまま、男根を根元近くまで咥えている。凛とした雰囲気の美貌を苦しそうに歪ませながらも、頬を窄めて一心不乱にフェラチオ奉仕を続けていた。

(くくッ、女性雑誌の編集長としてスーツ姿で凛とし佇まいをしているこの女が、こうして僕の足元に跪いて奴隷奉仕をしている姿を見たら、きっと会社の男どもは驚くだろうな)

 桃花は全社でも一、二を競う美貌の持ち主で、一般社員だけでなく上役にもファンは多い。そんな連中に、今の奴隷姿を晒して自慢してみたいという昏い欲求に駆られる灰獲であった。
 首輪から伸びる鎖を脇に置くと、サイドボードに置いていたリモコンのスイッチを強に変える。その途端、桃花の身体がビクッと大きく跳ねた。

「――ぷはッ、あッ、あぁぁン、だ、だめぇぇッ」

 拘束された身を捩りながら、切れ長の目に涙を浮かべて灰獲を見つめる。彼女の乳首と秘部をリモコンバイブレーターが責め立てているのだった。
 乳首を押し潰すワニ口のクリップに取り付けられたローターと、股間の二つ穴に挿入されたバイブレーターが激しい唸りをあげて振動する。その足元には溢れだした愛液がポタポタを滴ってフローリングに滴っていた。

「おい、何度言ったらわかるんだよッ、誰が奉仕を止めて良いって言った?」
「あぁン、だ、だって――うぐぐぅッ」
「口答えするな馬鹿女がッ」

 桃花の髪を掴んで再びいきり勃った肉棒を咥えさせると、そのまま頭を上下に揺すって激しいイラマチオをおこなう。

「うげッ、うぐぇぇぇッ」

 喉奥を亀頭で突かれて背を痙攣させてえづく桃花であったが、涙を流しながら必死に耐えている。そして、灰獲が手を放した後も、自ら首を振って口腔奉仕を続けるのであった。

(あのムカついていたこの女も、すっかり従順な奴隷に堕ちたな、ははッ、この快感……癖になっちゃいそうだなぁ)

 灰獲は一方的に女を嬲り、奴隷として扱うことを抵抗なく愉しみ、その行為にすっかりハマっていた。
 桃花での成果に自信を持った彼は、その矛先を次のターゲットである同期の関貫 亜紗子(かんぬき あさこ)に向けていた。
 そして、今回の計画に利用した海外の運送会社が一部の顧客のみに密かにおこなっている裏サービスから、彼女を自宅マンションから運び出したとの報告メールを先ほど受けたばかりだった。
 あとは2週間もすれば、牝奴隷としての調教を施された亜紗子がここに届く手筈になっていた。

(まったく、こんな便利なサービスがあるなんて、利用するっきゃないよなッ)

 外交官である父親のPCから盗み読んだ情報を利用しているだけなのだが、それを有効活用している自分の有能さを灰獲は疑っていなかった。
 機密情報を使って株でも大儲けしており、意にそぐわない女もこうしてモノにしている今の彼にとって、結果こそが全てであった。

(サービスで請求される金額も結構な額だけど、今の僕にとってはした金だしな。あとは父親の裏口座から引き落とされる前に、コッソリと金を振り込んでおけば完璧だな)

 もしバレたとしても、幼い頃から父親に叱られたことは一度もなかった。欲しいものは何でも買い与えてくれたし、困った事があれば、いつも私設秘書の松原が対応してくれていた。

(親の権力や金だろうと生まれ持った僕の特権なんだ、それを利用しないなんて損なだけだろうに)

 そんな彼だから、気に入らない女の誘拐から調教まで面倒な事を全てしてくれて、その後の美味しいところだけ楽しめる今回のサービスは気に入っていた。
 金も女も思いのままで、思わず込み上げてくる笑いで、口元が緩んでしまう灰獲であった。

――ピンポーン〜♪

 悦に浸っていると呼び鈴の音が鳴り響いた。それを無視していると、玄関を開けて誰かが入ってくる気配がした。

「あーもーッ、居るんなら出迎えてよねぇ」

 そういってリビングの扉を開けて入ってきたのは、露出度の高い服装の女だった。
 ソバージュのかかった茶髪に、まるで風俗嬢ような濃い化粧。顔立ちやプロポーションは美人と言える部類に入るのだが、背が低いのもあって目の前の完璧に近い桃花のプロポーションと比べるとどうしても見劣りしてしまう。
 ただ、爛々と輝くアーモンド形の目が印象的で、見つめていると引き込まれそうになる不思議な魅力があった。
 その女は、亜紗子と同じ部署の風見 夢利(かざみ ゆうり)であった。

(チェッ、折角、ひとりで良い気分に浸ってたのに……)

 乱入者の登場に舌打ちしたくなる気分だったが、そんな気配を見せずに灰獲は代わりに笑顔を浮かべる。

「あぁ、ゴメン、ゴメン。全然、聞こえなかったよぉ」
「もぅ、嘘ばっかり、いろいろ協力してあげたんだから、約束通りにアタシにも楽しませてよね」

 そう言って夢利は恥ずかしげもなく、いそいそと目の前で服を脱ぎだした。

(まったく品がない女だなぁ。まぁ、コイツのお陰で事がスムーズに進んだんだから、大目に見てやるか)

 桃花を罠に嵌める為に、灰獲が利用したのが夢利だった。デートに誘って何度か抱いてやって、桃花が忙しい時に資料をろくに見ずにサインする癖あるのを聞き出したのだ。
 それを利用して桃花に契約書に同意のサインを書かせようとしたのだが、軽そうな外見とは裏腹に夢利は灰獲がしようとしている事をすぐに見抜くと、仲間に入れるように言い寄って来たのだった。

(それにしても変わった女だ……)

 夢利は上役の愛人でコネで入社したと噂される社内でも浮いた存在だった。各部署の長が扱いに困っていたところを、桃花が自分の部署に引き取った経緯がある。
 そんな夢利であったが意外と人に疎まれることもなく、要領よく仕事もこなしていくので、激務で有名な桃花の部署では重宝されていた。
 ただ、他の同僚たちに比べると仕事に熱意があるように見受けられず、定時にキッチリと上がって、毎日のように誰かに誘われて夜の街に消えていくのであった。

(拾ってくれた恩人である桃花を貶める謀略だと理解したうえで、「面白そうだから」と首を突っ込んでくるのだから、やはり変な女だ)

 灰獲には理解しがたい部分のある女であったが、利用価値があるのも事実だ。
 お陰で桃花もご覧の通りに奴隷に堕とせたし、亜紗子もまた手中に落ちたも同然の状態になっている。
 結果が全てと考える灰獲はその点を評価していた。それに、今の会社に来る前から放蕩癖があるらしく、いろんな仕事や場所にいたことで得ていた豊富なコネや知識を持っていた。
 今、桃花に使っている責め具や拘束具も夢利がどこからか入手してきたもので、豪華なつくりだったこの3LDKのマンションも、いつのまにか調教部屋として作り替えたのも彼女だった。
 白を基調に整然としていた寝室は、今では拘束しやすいように革張りの拘束ベッドが置かれて、パイプが組まれて天井から吊るせるようにも改造されていた。
 別室には三角木馬や拘束台、更には鉄柵の檻まで用意している始末で、それらは過去にSMクラブで女王様として働いていた時のコネを使ったという話だった。

(まぁ、コイツに責められて辛そうに顔を歪める桃花の姿は、気分が良いしな)

 光沢のある赤いボディスーツに着替えた夢利が、フェラチオ奉仕を続ける桃花の背後に立った。
 腰から生やした瘤付きの凶悪なディルドで密かに狙いを定めているのだが、アーモンド型の目を爛々と輝かせて舌なめずりする姿は、まるで獲物を狙うネコ科の動物のようなゾクリとするものがある。

「ふふ、桃花ぁ、今夜もアナルをみっちり可愛がってあげるからね」
「んぐぅッ!? んんーッ」
「おいッ、口を離したらお仕置きだからなッ」

 夢利が数珠繋ぎのような形状のアナルバイブを抜き取って、残忍な笑みを浮かべて切っ先を菊門に押し当てる。
 アナルを責められると気付いて慌てて逃げようとする桃花。その頭を、灰獲が逃がさないように両手で押さつけた。

「んッ、んぐーッ!!」

 瘤付きのディルドが括約筋を押し広げて、ズブズブと埋没していく。極太サイズであったが、連日の調教を受けたアナルは、たいした抵抗もなく受け入れてしまう。
 ただでさえ膣内にもバイブレーターが押し込まれたままの状態だ。そこに腸壁を削り取るように押し込まれていくディルドの圧迫感が加わり、桃花は耐え切れずに白目を剥いていた。

「うげッ、おッ、おごぉぉぉッ」

 拘束された身体をブルブルと震わせて身悶えする桃花。夢利が細腰を掴んで本格的な挿入を開始すると、それは更に激しいものへとなっていく。
 怒張を喉奥まで押し込まれた口から洩れる激しい呻き声。だが、次第にそれから苦痛の音色が薄れ、代わりに媚の含んだ淫啼きへと変わっていった。

――同性に排泄器官である肛門を責められる

 未だにそれに対する嫌悪が残り、激しく嫌がる桃花であった。だが、調教でアナルでの快楽を刻み込まれていった肉体は与えられる刺激に反応を示してしまい、拒んでいた理性も次第に被虐の魔悦へと染められてしまうのだった。
 嗚咽を洩らしながら、魅力的なヒップを淫らに振りだす桃花の様子に、二人の嗜虐者は顔を見合わせて乾いた笑みを浮かべあうと、目の前の牝奴隷に更に激しい責めを加えていくのであった。





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