淫獣捜査 隷辱の魔罠

【53】 新たなる提案

「ナナさん……」

 突然のナナさんの登場と言動に、その真意を読みかねていた俺だったが、それでもホッとしてしまっている自分がいるのに気が付いていた。

「おーおー、そう出たか。ナナらしいと言えばらしいが……さーて」

 俺の追って傍まで来ていたタギシさんの呟きが聞こえる。その口調には彼らしく、どこか現状を楽しんでいる様子が窺えた。
 そして、彼の言葉からこの後に何が起こるのか気付かされ、ハッとして目の前の支配人へと視線を戻す。その支配人の顔からは好々爺の笑みが消え失せており、細められた目からは射抜くような視線がナナさんへと投げかけられていた。
 見つめられた途端に息も出来なくなりそうな怒気を孕んだ視線、それを直接向けられた訳でもないのに、傍にいる俺はジットリと冷や汗をかいていた。
 だが、その視線の先にいるナナさんは、少なくとも俺の目には普段どおりの悠然とした様子で立ち、支配人へと視線を向けていった。

「どういうつもりじゃ? いつ、わしがキサマにそのような行動をしろと求めたかのぅ?」

 支配人の口から感情を押し殺した言葉が、静かに放たれる。

「私はホストとして判断し、行動を……」
「牝の分際で、でしゃばるでないわッ!!」

 支配人の一喝が、ナナさんの言葉を切り捨て、室内の空気をビリビリと振るわせる。
 その余りの迫力に俺の肩が思わずビクッと反応してしまうのだが、当のナナさんはその反応を予想してたかのように涼しい顔で、黙って恭しく支配人へと頭を下げた。
 その2人の様子から、ナナさんの行動はまったくのイレギュラーなものであるのが俺にはわかった。

「キサマは、プラチナである身分を何か取り違えているのではないか? どんなにランクが上がろうともキサマが牝であり奴隷であるのは変わらんのじゃぞッ! オーナーが自由にさせているのをいい事にキサマは……」

 こみかめに青筋を立てる支配人。その苛立った言葉とは裏腹にその口調は落ち着いており、次第により冷たく、より鋭い殺気を含めたものへと変わっていく。それ共に室内の空気が重苦しいものへと変質していった。
 
(うぅ……息が……)

 無意識に浅く早まる呼吸。それを整えようと試みるのだが息苦しさは一向に解消されず、思わず襟元を緩めたい衝動に駆られる。だが、唾を飲み込むのさえ憚れる雰囲気に呑まれ、俺はただ動けずにいた。
 だが、突然、そんな状況を意に介した気配もない爽やかな笑い声が響き渡ると、それを打ち破った。

「ははははッ、ナナも支配人にかかると、まるで厳しい担任に叱られる出来の悪い生徒のようだよな」

 まるで呪縛から解き放たれたように俺の肩から力が抜け、呼吸が楽になる。
 いつのまにか額には汗がビッシリと浮き出ており、滴り落ちそうになる汗を慌ててハンカチで拭うと、傍に立つタギシさんと視線が合った。彼は俺にニッと白い歯を見せながら爽やかな笑みを浮べた。

「……な、なにを急に……」

 場違いなタギシさんの対応に、厳格な支配人が戸惑いの表情を浮べた。

「そうピリピリしてたんじゃ、折角の愉しい場が台無しだぜ? 俺やルーキーから奴隷を取り上げたんだ。こちとら楽しませてくれないんじゃ、流石の俺でも退屈で帰りたくなっちまう。なぁ、ルーキーもそうだろう? どうせなら楽しみたいよなぁ?」
「えぇ……そりゃ、もちろん」

 背後から俺の肩にガシッと手を廻すと、肩に顎を乗せながら支配人へとニッと白い歯を見せて笑顔を浮べるタギシさん。
 その様子に、支配人もすっかり毒気が抜かれてしまったようで、大きく溜息を付くと苦笑いを浮べていた。

「やれやれ、年甲斐もなく熱くなり、見苦しいところをお見せいたしましたな」

 好々爺の表情に再び戻った支配人は、そう言ったかと思うとゆっくりと俺とタギシさんへと頭を下げた。

「で、ついでに俺からの提案なんだが、ナナの案をもうちょっと楽しめるようにしてみないか?」
「……ほぅ」
「……それは、どういう……」

 戸惑う俺や興味深そうにする支配人の様子に、タギシさんは満足そうに笑みを浮べる。

「折角、プラチナが2人もいて調教で競おうって言うんだ。こんな愉しいことを即興で、こんな場所でやるのは勿体無いじゃないか。どうせなら、他のクラブメンバーにも見せた方が盛り上るぜ」

 そう言うとタギシさんは俺と支配人に、自らのプランを語り始めた。
 それは、ナナさんとシオさんに調教する時間と場所をそれぞれに与え、主である俺とタギシさん相手に調教結果を披露させると共に、他のメンバーにもそれを評価させるというものだった。

「俺もルーキーも楽しめるし、それを他のメンバーとも分かち合える。まぁ、時間も有限だからな。本番前に奴隷達を休息させる時間も考えると最後のメインイベントとして組み込むっていうのはどうだい? それなら、俺もルーキーを連れて他のイベントを楽しめるしな。どうだい?」

 目を子供のようにキラキラさせて愉しげに語るタギシさんは、俺と支配人へと同意を求める。

(その時間の間に、俺が目的を済ませられれば……)

「えぇ……俺の方は、依存がありませんが……」

 戸惑いながらも咄嗟に打算した俺が同意すると、支配人も顎に手をやり何やら思案している様子であった。だが、最終的には渋々ではあるが同意をしたのだった。

「そういう事だから、ナナもシオも宜しく頼むよ」
「はぁ……わかりましたわ」

 厚いガラスの向こうにいた2人のプラチナ奴隷は耳に差し込んでいるインカムでこちらの会話を聞いていたらしく、タギシさんの言葉にナナさんは苦笑いを浮かべ、シオさんは黙って頷き、それぞれ了承の意思を表した。
 それからは、先ほどまでの重々しい空気をどこへやら、まるでリクエーションでも行うかのような雰囲気でタギシさんが笑みを浮べながら愉しげに取り仕切っていく。

(ナナさんもそうだけど……この人も変わった人だよなぁ)

 ジッと見つめる俺の視線にタギシさんは気が付くと、親指を立てて二カッと笑みを浮べる。それにつられ、俺も気が付けばいつのまにか口元を綻ばせていた。



「やれやれ……気が付けば、すっかりそちらのペースに巻き込まれてしまったわい」

 支配人は肩を竦めぼやくと、傍に立つ黒服へとなにやら指示をだし始めた。

「それぞれの牝を連れて行って調教するとなると、まずは出す物を出さねばなりませんな」
「まぁ、そうなるよなぁ」
「……?」

 支配人の言葉に苦笑いを浮べるタギシさん。そんな2人のやり取りを見ている間に、ガラスの向こうでは作業員たちがなにやら作業を開始していた。

「さて、ゲームが中断にさせられたのでな……本意ではないが、排泄の許可をやろうかのぅ」
「え!? ……それって……」

 その支配人の言葉の意味を、ホッとして気が緩んでいた俺はすぐに理解できず、気が付いた時には作業員たちの作業は終えていた。
 尻肉の谷間で露出しているアナルストッパーの底部へとポンプ付きのチューブが再び接続されると、それを膨張させていた空気がゆっくりと抜かれていく。

「うぅぅ……」
「あッ、あ、あぁぁぁ……」

 途端に喜びと戸惑いの交じり合った呻き声が、開口具のリングを噛まされた涼子さんと美里さんの口から溢れ出す。
 苦しみからの開放されると知り、喜びに身体を振るわせつつも、僅かに残った理性が人前での排泄する事に対する羞恥心を想い起こさせるようで、首が弱々しく左右にイヤイヤと振られる。
 だが、浣腸に対する耐性もなく、長く放置されていた彼女らに、それを押し止め、耐える事など出切る筈もなかった。

――ブッ、ブブッ……

 僅かにアナルストッパーの圧迫が緩んだ途端、大きな音をたてて放屁がされたかと思うと、その隙間から彼女らのドロドロに溶けた排泄物が濁流となって溢れ出す。
 そして、その勢いはますます強まり、更に空気が抜けて緩んだアナルストッパーをアナルから押し飛ばすと、奔流となって大きな弧を描いて迸った。

「おぅッ、おおおぉぉぉッ!!」
「ヒッ、あぁぁぁぁぁぁッ!!」

 激しい便意による苦しみからの解放に涼子さんと美里さんは歓喜の雄叫びを上げ、拘束された不自由な身体を目一杯反らして身体を震わせる。
 気が付けば、彼女らの股間からは勢いよく尿まで放たれており、排泄の快感に開口リングの中から舌を突き出し、ダラダラと唾液を垂れ流していた。全頭マスクをしていない美里さんにいたっては、半ば白目を剥きながら、涙と鼻水を垂らす無残な顔を晒していた。
 そして、濁流が少し落ちずつ着いてくると、今度はそれに混ざり固形物が彼女らの尻肉の間から吐き出され、茶色い水溜りで濡れ汚れた床へとボトボトと落ちていく。
 
(あぁ……涼子さん……)
 
 無残に人前での強制排泄をおこなわされる涼子さん。その全頭マスクで隠された彼女の表情を想像した途端に俺は……激しく興奮してしまっていた。
 そんな俺の眼前で涼子さんはようやく大量の排泄を終えると、ガックリと力尽きたように拘束台の上に突っ伏した。

「ふむ、随分と溜め込んでおったな」

 拘束台の上で力尽きている彼女らを見下ろし、その様子に支配人は満足そうに頷くと、待機している作業員へと新たな合図を送る。

「折角じゃ。この牝らには洗浄しながら徹底的に排泄の快感を刻み込んでおいてやるとしようかのぅ」

 支配人の傍に控えていた管理人が手元のキーボードを叩くと、彼女らの膣や乳房に取り付けられていた異形の淫具が活動を始め、排泄を終えて息を荒げながらグッタリとしていた涼子さんと美里さんの身体を大きく跳ねあげさせた。

「――ヒッ!? いひゃぁぁぁ」
「ひゃ、ひゃめぇぇぇ」
 
 本来ならのたうち回るほどの身体を駆け巡る凄まじい快楽にガッチリと拘束された身体が鎖が軋ませながらブルブルと発作のように震え、唯一自由に動く首がまるで壊れた玩具のようにガクガクと上下に振られる。
 そんな涼子さんと美里さん背後では、巨大な注射器型の浣腸器を手にした作業員がゆっくりと立つと、彼女らのアナルへと切先を突き立て、新たなる薬液を注ぎ込んでいくのだった。





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